コロナ禍のVRアトラクション、密かな愉しみを見逃すな
バーチャルリアリティ・アトラクションの浸透度を測る?!
バーチャルリアリティ(以下:VR)アトラクションやアクティビティが新規で導入されるというメディア向けの案内や取材のメッセージが届くと積極的に対応するようにしている。
いくつか理由があるが、一番の理由は、時間の経過とともに、私たちの生活やエンタテインメントに、どれだけ浸透したかを計るため…というものだ。さらには、そのアトラクション自体の完成度や表現力は過去のそれと比較してどれだけ変わったかということを確認したいからだ。
今回リリースされたVRアトラクションは、CAセガジョイポリス社の「ZERO LATENCY VR」の最新作で、ゲームとして世界的にその名を知られた「FAR CRY」を共同開発でVR化した、「FAR CRY VR : Dive Into Insanity」だ。…ストーリー設定から考えると「FAR CRY3」をベースにしたものだ。
オープンワールドでファーストパーソン・シューティングという、情報量多めの「FAR CRY3」のゲームそのものは詳しい説明が不要と思われるが…。
ジェイソン・ブロディとその友人を待つ地獄の饗宴…果たして生きて帰れるか?
南国の楽園「ルークアイランド」。
青い空、煌めく海に囲まれたこの美しい島で、ジェイソン・ブロディ(プレイヤー)と友人たちと人生で最高のバカンスを過ごしていた。…バース率いる海賊たちに捕らえられるまでは…。彼らは娯楽に飢え、暇を持て余していた海賊たちによる残忍な狩りのターゲットにされてしまった。主人公ブロディらに扮したプレイヤーは、この地獄の饗宴が繰り広げられるこの島から脱出できるのだろうか?
生き残るために戦い抜き、ジャングルの奥地でバースと対面したとき、プレイヤーは真の狂気を目の当たりにするだろう…、従来のゾンビとの対戦ではなく、無法な海賊との命がけの戦いを勝ち抜けという設定だ。
前述したように「FAR CRY VR : Dive Into Insanity」の内容自体は「ZERO LATENCY VR」のガワ変え「FAR CRY3」版になっており、非常によくできている。
移動もストレスがなく、一見するとゾンビに見えなくもない海賊たちがワラワラと迫ってくる状況を最大6人のチームで(1人でも体験は可能)戦い抜くことにある。最後待ち受けるのは本当の南国の楽園か、それとも海賊たちの巣食う地獄なのか、興味をもった読者は体験してみてほしい。
四畳半「Escape The Lost Pyramid」は謎解きVRアトラクションの真骨頂だ!
さて、もう1作品同時に体験したVRアトラクションを紹介しよう。こちらはアトラクションというよりも謎解きVRコンテンツと言ったほうが適切だろう。
体験スペースは「FAR CRY VR : Dive Into Insanity」とは異なり、ジョイポリス内部3階に位置するほんのわずかなスペース、4畳半くらいのスペースしかない。
しかし、実は今回のVR体験会で新鮮な驚きを感じたのは、むしろこちらのほうのコンテンツだった。
そのコンテンツは日本国内初上陸のVR脱出ゲーム「Escape The Lost Pyramid」である。
本作はUBISOFT社のVR脱出ゲーム。
舞台はエジプトにある大ピラミッドの内部で、UBISOFT社が開発する「アサシン クリード オリジンズ」の世界観をVRで再現し、プレイヤーは登場人物になりきって楽しめる内容になっている。
先に挙げた「FAR CRY VR : Dive Into Insanity」も良くできているのだが、もっとよくできているのが、こちらの「Escape The Lost Pyramid」だと断言しよう。映画モノよりも、ゲームをベースにしたほうが、権利関係がクリアにしやすく、VRのアトラクションは作りやすいのではないだろうか。
ピラミッドコンセプトの脱出VRとしては出色のデキ!
ピラミッドや財宝探検をテーマにしたアトラクションは今までも多くあり、私が1994年頃にラスベガスの「ルクソール・ホテル」で体験したライド型アトラクションも「ピラミッドの謎を追え」という内容だった。「ルクソール・ホテル」はホテルそのものがピラミッドのかたちを模して作っており、当時は、まさにラスベガスのテーマパークホテルの最先端だった。
そのライド型アトラクションはボートで水路を進むと、今で言うところのプロジェクションマッピングのような映像が展開されるものだった。
「Escape The Lost Pyramid」は、VRを体験しつつ、目の前にあるオブジェクトを操作したり、移動させたりする謎解きVRゲームで、2名のチームプレーを駆使して場面各所にちりばめられた謎を解きながら、宝が隠されている上層部を目指して探検するストーリー。体験時間は約40分のなかでどこまでクリアできるかという内容だ。ちなみに筆者は半分もクリアできなかったが、半分でも非常に面白い!!
もっとやってみたい!と思ったものだ。
こればかりは体験してもらわないと理解できないかもしれないが、強いて言うならば、ハリソン・フォード演じる映画「インディ・ジョーンズ」のジョーンズ博士になった気持ちで探検、探索が楽しめるのだ。ところどころに意外なギミックやトリックが隠されていて、「なるほど!」「これか!」「うーん、そうだったのか」と感嘆すること間違いないアトラクションに仕上がっている。
世界観も美しく、まさに「アサシン クリード オリジンズ」に仕上がっている。
前章で触れたように「Escape The Lost Pyramid」はそれらを体験するスペースも省スペース設計がなされており、ひとり2畳分くらいのスペースで体験ができるもので、今後、小規模なアミューズメント施設でも導入されれば、VRが今よりもさらに身近なものになることは間違いないだろう。
どららも体験ができるのは10月16日から、それぞれ予約方法、体験時間帯などが異なるので注意が必要だ。
以下)メーカー発表に基づく告知
◆「FAR CRY VR : Dive Into Insanity」VRアトラクション 体験時間 30分
料金 2,500円(税込) ※東京ジョイポリスの入場料が別途必要です
※料金は時期により変更する場合がございます
※パスポートチケット(入場料+アトラクション乗り放題)利用不可
※要事前予約 プレイ人数 1~6名 年齢制限 13歳以上
プレイ時間 45分(ブリーフィング時間15分+プレイ時間30分)
オープン日 2021年10月16日(土)予定
予約受付開始日時 2021年10月9日(土)12:00~(予告なく変更する場合があります)
◆「Escape The Lost Pyramid」
料金 2,200円(税込)
※東京ジョイポリスの入場料が別途必要です
※料金は時期により変更する場合がございます
※パスポートチケット(入場料+アトラクション乗り放題)利用不可
※当日予約制でのご案内となります プレイ人数 2名限定
※1名のみでのプレイ不可
年齢制限 13歳以上 プレイ時間 約40分
開催期間 2021年10月16日(土)~2022年1月15日(土) ※上記期間内の土・日・祝日限定となります
CA Sega Joypolis Ltd.
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