ルーキー・才木浩人投手、公式戦2度目の先発も合格点でした!《6/29 阪神ファーム》
きょうは6月30日、『夏越の祓い(なごしのはらい)』でしたね。2017年も半分が終わってしまったのかと驚くやら、焦るやら。過ぎた半年間を振り返り、残る半年が健康で幸せに送れるよう祈りながら、神社で茅の輪くぐりをしましょう。大虎も、連敗中の厄を落としてこなきゃいけません。
さて小虎はといいますと、29日までのオリックス3連戦が予報の悪い中で全部消化できたものの…こちらも連敗で1勝2敗。なかなか借金が減りませんよねえ。きょうからはナゴヤ、岐阜県可児市、ナゴヤでの中日3連戦ですが、初戦は残念ながら雨天中止となっています。
なお、きょう30日はフレッシュオールスターゲーム出場予定選手の発表がありました。阪神からは大山選手、小野投手、福永投手、長坂選手の4人が選ばれています。阪神で全員ルーキーが選出というのは、2001年のコナミフレッシュオールスターゲーム(東京ドーム)以来。その時は2000年のドラフト逆指名の藤田太陽投手、4位の赤星憲広選手、6位の沖原佳典選手、7位の藤本敦士選手です。ただし藤本選手はケガのため辞退、代わって同じくドラフト8位ルーキー・梶原康司選手が出ました。懐かしいですねえ。
ことしのフレッシュ球宴は7月13日(雨天順延)に、静岡の草薙球場で開催されます。
オリックス戦は1勝2敗
では、29日に行われたウエスタン・オリックス戦の結果をご紹介しましょう。中盤以降は傘の必要もなく無事に進んだ試合、とはいえ打線がうまく繋がらずに完封負けです。8回まで投げたオリックスの先発・山崎福投手と9回のヘルメン投手に対して、相手より多い7安打を放ちながら三塁を踏むことなく終わり、公式戦2度目の先発だったルーキー・才木投手を援護できませんでした。2ランホームランを浴びた才木投手ですが、期待感は高まる一方。次もまた楽しみですね。
《ウエスタン公式戦》6月29日
阪神-オリックス 16回戦 (鳴尾浜)
オリ 020 000 012 = 5
阪神 000 000 000 = 0
◆バッテリー
【阪神】●才木(2敗)‐福永-石崎-田面 / 小宮山
【オリ】○山崎福(2勝4敗)(8回)-ヘルメン(1回) / 伏見
◆本塁打 杉本4号2ラン(才木)
◆二塁打 伏見
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率
1]遊:植田 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .216
2]二:森越 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .211
3]左:キャン (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .299
4]三:陽川 (4-2-0 / 2-0 / 0 / 0) .271
5]指:狩野 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .267
6]一:新井 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .293
7]右:江越 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .091
8]捕:小宮山 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .182
9]中:緒方 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .216
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
才木 5回 77球 (2-3-3 / 2-2 / 3.71) 147
福永 1回 15球 (1-1-0 / 0-0 / 3.48) 148
石崎 2回 39球 (1-2-2 / 1-1 / 5.30) 148
田面 1回 35球 (1-0-0 / 2-2 /12.15) 145
<試合経過>
先発の才木は1回、2死後に四球を与えるも無失点で立ち上がります。しかし2回、1死を取ってから6番の宗に四球。続く杉本にカウント2-2からの5球目、スライダーを下から拾うようなバッティングでレフトへ。これが先制ホームランとなって2点を失いました。3回は四球のあと併殺もあり3人で片付け、4回は1死から縞田に中前打されますが、宗の投ゴロを捕って二塁へ送球!1-6-3の併殺で終了しました。ここで62球、80球制限のため最後となった5回は三者凡退。伏見の放ったライナーをジャンプしてキャッチするなど、ナイスフィールディングです。
6回は連投の福永が、途中出場の吉田雄に左前打されたものの後続を断って無失点。続いて石崎が登板し、7回は2奪三振で三者凡退でしたが、8回は先頭の伏見に四球を与え、犠打と二ゴロで2死三塁。吉田雄の左前タイムリーで1点を追加されます。
9回は田面。先頭の園部をショート植田のエラー(捕った球をなかなか握れず…)で出しますが、すぐに小宮山が盗塁阻止!代打・小田は二ゴロで2死ランナーなしとしてから、宗に四球を与えます。次の杉本の遊ゴロで二塁封殺、と思いきや宗はセーフ。記録は植田の野選で2死一、二塁となり、8番・伏見に左中間への二塁打を浴び2人を還しました。
一方の打線は、1回が三者凡退。2回は陽川の中前打、しかし狩野が投ゴロ併殺。そこから新井と江越に連打が出るも得点なしです。3回は1死から四球を選んだ植田が牽制死するなど3人で終了。4回は三者凡退で、この回の陽川から5回の江越にかけて4連続三振を奪われています。2死から小宮山に中前打が出て、山崎福のボークもありましたが0点。
6回は2死からキャンベルが相手エラーで出て、陽川の左前打で久々に一、二塁と2人の走者を置いたものの、やはり無得点。7回は三者凡退で、8回は2死から森越が中前打しただけ。そして9回はヘルメンに代わり、1死から狩野が右前打しますが、後続はフライ2つで試合終了です。
「順調!」と掛布監督、久保コーチ
試合後の話は、大半が才木投手関連になりました。まず掛布監督。「スライダーをホームランされたのは、いい勉強になったでしょう。その前にスライダーで空振りを取れたから行ったと思うけど、ボール1つか2つ分はずして勝負することを覚えてもよかったかな。でも、そういうところから意図を感じられる。5回2失点、ゲームを壊さず十分な内容だった。バランスもよかったし、順調だよね」
久保投手コーチは「ちょっと、カンッと拾われたけどね」と杉本選手の2ランを振り返り「約80球を条件として5回くらい行けるかというところで、前回(15日の中日戦・76球)も今回も及第点。というか合格ですね。球数を使いすぎないためにゾーンで勝負していくことができるので、ゲームが、ピッチングができるコントロールもある」と、変わらず高い評価です。
それに、と久保コーチは続けました。「投手守備ができる。そういうのも含めてね」。確かにフィールディングは自分自身を助けるもの。「あんなダブルプレー(4回)は普通なんですよ。だけど普通じゃない人も多いので。才木は普通にこなせる。ま、順調に来ていますね」。現時点は80球までという制限付き、また先発で回しているものの登板間隔はほかの投手より長めの才木投手。今後はどのように進めていくのでしょう?「あとは日にちを詰めるか、球数を増やすか、ですが、まだ急にはね。10年、20年続けていかないといけませんから」
次は今より成長していたい
お待たせしました。本人の談話です。才木投手は、5回2失点という結果について聞かれ「最低限、です。久保コーチにも5回いけたのはいいと言われたんですが、自分としては6回いきたかった。いけたらいいなと思っていたので、まあ最低限ですね」と、少し悔しさもにじませながらのコメントでした。いいですねえ、この負けん気が。
スライダーをホームランされたことは勉強という掛布監督の言葉に「ストライクからボールになる球にしないといけなかった。その前に空振りしているので、もうちょっと低めに投げれば。しょうがないなというのはあるけど…でも勉強になりました」と、うなずきます。
同じ杉本選手に2打席目もスライダーで、今度は空振り三振。「あれは、ぎりぎりストライク入っているところからボールになるスライダーで、外へいく球なので少し違いますが、ラッキーだったかなと思います。ホームランの方は、ちょうどバットが来たとこへ入る感じ」
公式戦の先発が2試合目となり「先発でしっかり投げられているのはいいけど、前も5回2失点で、きょうも。これからは、前の登板とは違う、成長したところを出せるようにしたい」と才木投手。前回は7安打ながら無四球、今回は2安打だったけど3四球で「フォアボールからのホームランだったし、減らしていかないと。ヒットは前回の方が多いけど、フォアボールがなかったら点を取られていないかも」と振り返ります。
さらに「きょうは大胆さがなかったかな。目指していたけど、そこは反省です。スライダーの曲がりが日によって違うんですけど、自分の中で“曲げよう”という意識があって“置きにいった”ような…。大胆さがなかった部分ですね」と新たなポイントも自ら挙げました。投げるたびに何かが見つかりますね。「はい!課題はいっぱい出てきます」。でも手応えを感じたのは、今回の方だったみたいですよ。それは成長と言えるでしょう。
最後に、雨で登板予定が流れても「僕は晴れ男です。浜地が雨男なんですよ」と言い続けていた才木ですが、きのうは上がっていたのに試合が始まって投げ始めたら雨が…。やっぱり雨男なのでは?と振られて「いや、僕もそう思いました(笑)」とのこと。そこそこ本降りの時間もあったけれど「全然気にならなかったです」と涼しい顔でした。
「投げる場所があればどこでも」
福永投手は6月23日、24日の広島戦(甲子園)についで、今回のオリックス戦でも28日と29日が連投となっています。前日の試合後に反省していたコントロールは、修正点をビデオでチェックして「きょうは、きのうよりいい感じでいけた」そうです。連投は苦にならないかと聞いたら「はい、まったく!」とさわやかな答え。むしろ投げ続けた方がいいくらい?「感覚はいいですね」
先発と中継ぎは違うかとの問いに「1人1人、1球1球をより大切にしていきたいと思います。先発はトータルに見て、イニングの中で修正していくけど、中継ぎだと次の回でというわけにいかないから。1球目、1つのアウトを大切にと心がけるように」と答えた福永投手。
登板前のピッチングも違う?「変わりましたね。ブルペンで、ほとんど真っすぐを力入れて投げています」。今は中継ぎだけど、先発が希望?「投げる場所があれば、どこでもしっかり投げて結果を出すだけです!」。やはり、さわやかな返事でした。フレッシュオールスターでのピッチングも楽しみですね。
田面投手と陽川選手
田面投手は23日の広島戦でも9回に登板し、先頭を味方エラーで出したあとに2ランを浴びました。さかのぼって5月18日の広島戦(鳴尾浜)でも、やはり先頭を内野のエラーで出して二塁打や2ランなどで5失点(自責2)。5月7日のオリックス戦(神戸第二)も先頭を内野のエラーで出していますが、ここは併殺など3人で終了しています。
23日は自責0でしたが、きのう29日は2死から四球と野選の走者を二塁打で還したので自責点は2。何とも気の毒で「0」にしてあげたいくらいと言ったら「でも2ですよね」と苦笑いの田面投手です。このところ多いかも?「そう…ですかね。最近。でも自分のせいなので」。そこで抑えて、野手をも助けられたら何よりです。
最後に、2安打を放った陽川選手ですが「(打席内容は)よくない」とのこと。「ボール自体は見えていると思います。でも最後にボール球に手を出してしまったりする。そこは見極めをしっかりしていかないといけないですね。もう今から変えていくのは時期的にも遅いので、今やっていることで結果を出すだけ。まず結果を出して、推薦されるよう内容も大事に、継続してやっていきます」