コロナ発生から丸3年 武漢で再び感染爆発、上海、重慶でも 北京はピーク越え 底は1月末か?
中国政府が「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」にいきなり方針転換してから約3週間、中国各地で感染爆発が起こっている。感染がピークを迎えているのは、皮肉にも3年前の12月30日、コロナが確認された武漢市(湖北省)。ほかに、上海市、重慶市(四川省)などだ。
一方、感染拡大が早かった北京市などではすでにピークを越えたとの情報もあり、中国メディアの報道によると、各地方によって、感染のピーク時期と収束時期には1カ月以上の差がある。
全国的にピークアウトに向かう底となるのは約1ヵ月後の1月31日頃かともいわれており、春節(1月22日)を前に、中国は厳戒態勢を迎えている。
1日当たりの感染者数は約180万人?
12月29日、中国の疾病予防コントロールセンターの専門家は、感染拡大に関して、北京市、天津市などはピークを過ぎたと発表した。同センターの発表によると、コロナによる死者は1人、感染者は5102人。
しかし、英国の医療調査会社のデータによると、同日、中国でのコロナ感染による死者は1日当たり約9000人。ここ数日で感染が爆発的に増えており、1日当たりの感染者の推計は約180万人としており、中国政府の発表と大幅な乖離がある。
目下、感染が拡大中なのは武漢市、上海市、四川省など。共同通信の記事によると、武漢市内の葬儀場には遺影や遺灰を持った人や車が大勢集まっているという。
すでにピークを越えたとされているのが北京市や、北京市に隣接する保定市(河北省)、石家荘市(河北省)、天津市などだ。
中国メディアの報道によると、累計感染率で北京市や四川省は50%を超えていると伝えられており、一部では6割ともいわれている。
春節に地方に感染拡大か
これから感染のピークを迎えると予測されているのは広州市、西安市、大連市、杭州市、蘇州市、福建省、江西省、黒竜江省などといわれており、2月にかけて感染は地方や農村にも拡大すると思われる。
中国のメディアでは、感染の第1波ピーク時マップ(=以下の図を参照)や、都市別のピーク時期と収束時期の一覧表などが複数出回っているが、実際とは少しズレがあるようだ。
中国は1月22日に春節(旧正月)を迎えるが、通常であれば、その10日ほど前から帰省ラッシュが始まる。
大都市から地方へ、地方都市から農村へと民族大移動が増えれば、感染のスピードは速まり、ピーク時期がさらにずれるとの予測もある。農村では医療体制が脆弱なため、さらなる感染爆発を防ぐためにも、政府は帰省をとどまるよう、国民に呼びかけている。
感染拡大中でも規制緩和
こうした動きとは裏腹に、12月27日、中国は2023年1月8日以降、海外からの入国時の隔離を撤廃すると発表した。出国に関してもパスポートの更新やビザ手続きを再開することを決めた。
従来も、ビジネスビザなどを活用して、一部の富裕層などは出国していたが、1月22日からの春節時期に、さらに多くの個人旅行客が増える可能性がある。
日本では、中国から日本への直行便を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定し、入国時の抗原検査を行うなど水際対策を実施する。
陽性の場合、有症状であれば7日、無症状であれば5日間の隔離を行い、ウイルスのゲノム解析も実施する。米国、イタリア、インドなども水際対策を強化するとしている。
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