雪の帯広 桜開花のワケ
今日(10日)午前、北海道の帯広測候所でサクラが開花しました。
平年より6日、昨年より5日遅い開花です。帯広といえば、今週の月曜日(6日)に雪が降ったニュースを覚えている方も多いでしょう。本州では新緑が深まる時期に、北海道では雪が積もるほど降るなんて、季節の違いに驚きました。
1.帯広 5月の積雪は8年ぶり
実際、帯広では5月になっても、2年に一度程度はみぞれや雪がちらつきます。でも、近年、5月に雪が積もった記録(1センチ以上)を調べてみると、2005年、1996年、1977年と積雪を伴うような雪は珍しいことが分かります。
2.サクラのつぼみをチンする?
この珍しい雪のあと、わずか4日でサクラが開花したのです。
もともと、帯広のサクラ開花日の平年は5月4日なので、サクラのつぼみはすでに膨らんでいたのでしょう。開花目前のつぼみは雪によって、一時冷凍保存されましたが、ここ数日の暖かさで一気に解凍、今日の開花へと至ったのだと思います。いうならば、冷凍食品をチンするみたいでしょうか。
3.根雪が長いと、サクラも遅い
今年は2年ぶりに、札幌より帯広の方が先に開花しました。
札幌の根雪が消えるのは平年で4月3日(長期積雪の終日)です。春分が過ぎて、日足が長くなってきても、札幌の最高気温は10℃を下回ります。根雪が消えると、一気に気温が上昇し、最高気温は一か月で7℃くらい高くなります。
ちょうど、札幌では根雪が消えてから、一か月後にサクラが開花しています(サクラ開花日の平年は5月3日)。今年の札幌は平年以上に積雪が多かったため、雪が完全に消えたのは4月12日、平年より9日遅くなりました。根雪が気温の上昇を抑え、サクラの開花が遅れる傾向があるようです。
【長期積雪終日が平年より1週間以上遅かった年】 1991年以降
年 長期積雪終日 サクラの開花日(平年日5月3日)
1994 4月13日 5月6日 平年並みの開花
1996 4月14日 5月5日 平年並みの開花
1999 4月12日 5月3日 平年並みの開花
2000 4月10日 5月18日 平年より遅い開花
2005 4月15日 5月10日 平年より遅い開花
2006 4月10日 5月8日 平年より遅い開花
2012 4月11日 5月1日 平年並みの開花