中国の初婚年齢の平均は28.67歳。なぜ晩婚化?
中国の2020年の初婚年齢の平均は28.67歳。男性で29.38歳、女性で27.95歳だった。同年の日本の統計と比べれば、男性で1.62歳、女性で1.45歳若いものの、お隣の中国でも晩婚化が進んでいるようだ。その理由はどこに?
10年前より4歳近く晩婚化
中国で今月出版された「中国人口調査年鑑2020年版」によれば、同年の中国の初婚の平均年齢は28.67歳だった。うち男性では29.38歳、女性では27.95歳だった。10年前と比較すると、男女とも4歳近く(男性3.63歳、女性3.95歳)晩婚化が進んだという。
ちなみに日本の初婚年齢の平均はというと、厚生労働省の人口動態統計によれば、中国の今回の統計と同じ2020年では男性は31.0歳、女性は29.4歳、最新の2021年の統計では男性で31.0歳、女性で29.5歳となっている。
日本での晩婚化は言われて久しいが、2020年段階の初婚の平均年齢を比べれば、中国は日本より男性で1.62歳、女性で1.45歳早いのみで、ほぼ同様の晩婚化がすすんでいることが分かる。
さて、ではなぜ中国で晩婚化が進んでいるのか?
マイホーム圧力?出会いが無い?
中国メディア「中国新聞網」は、独身男性の声として「家が高額なため、なるべく結婚を遅らせる」、また、女性の側の声として「20歳から30歳までの間は先ず頑張って、経済的に自立できるようになってから結婚を考える」などと伝えている。
中国では結婚相手の男性の条件としてマイホームを所有していることを求める女性が多いが、中国で不動産は高騰し、自力でマイホームを購入できる若者はごく一部。親の援助に頼らざるを得ない人も多い。
同メディアは、国務院の研究機関の専門家の分析も伝えている。
それによれば、晩婚の原因として、教育水準が上がり、大学の後に修士や博士課程に進む人が増えたこと、社会での激しい競争に晒され、仕事が忙しかったり残業が多かったりで、恋愛したり異性と出会う時間がないこと、先にも触れたようにマイホームや結納など結婚のコストが上がっていることなどが考えられるという。
結婚観の変化?
また、若い人たちの結婚観の変化についても指摘している。生活が便利になったため、多くの人たちが、一人暮らしを心地よく思うようになり、家庭への渇望や依存心がだんだん減ってきており、また、結婚が恋愛の唯一の帰結とは考えなくなった。
結婚は人生の一大事。プレッシャーをかける親の気持ちも分からないではないが、自分の生活や仕事だって大事にしたい。多少程度の差はあれ、そんな風に葛藤しつつ、「出会いがない!」などと嘆きながら一生懸命生きているのは、中国の若者も日本の若者も変わらない。