台風11号は遠く離れるも、次の熱帯擾乱(低圧部)が発生へ
統計史上5番目に遅かった台風11号の発生
気象庁の予想通り、発生が見込まれていた新たな台風11号がきょう16日(水)午前3時に南シナ海で発生しました。
台風10号が発生したのが今月早々(9月1日21時)でしたから、それから約半月経ってからの発生となっており、台風11号の発生としては1951年の統計開始以来、5番目に遅い発生記録となりました。
70年間で5番に遅いわけですから、やはり今年は台風の発生ペースが未だにかなり遅い(少ない)ということが言える状態です。
ちなみに台風11号の発生が遅かった年の年間台風発生数をみてみると、1998年16個、1983年23個、1969年19個、1975年21個、2010年14個、1977年21個と、現在の年間台風発生数の平年値25.6個よりも少ない発生数となっています。
とは言え、まだまだ台風シーズンは続くわけですから油断禁物です。
さて過去5番目に遅い発生となった台風11号は今後南シナ海で発達しながらも西進し、暴風域を伴いながら18日(金)にはベトナム方面へ進む見込みで、この台風の日本付近への直接の影響はないでしょう。
新たな熱帯擾乱(低圧部)がフィリピン沖に発生へ
タイトル画像の雲の様子をみてもらうと、南シナ海には台風11号に伴う雲が広がっていますが、一方でフィリピンの東海上でも至る所で雲が湧き立っている状態です。
今のところ、明瞭な熱帯擾乱(ねったいじょうらん)は解析されていないようですが、気象庁の予想天気図をみると、あさって18日(金)午前9時にはフィリピンの東海上で新たな熱帯擾乱(低圧部)が発生する予想です。
低圧部とは周囲より気圧が低く、循環は認められるものの、その中心がハッキリしない熱帯擾乱のことで、中心がハッキリすれば台風のたまご、熱帯低気圧という解析になります。
新たに発生が予想される低圧部の種々の計算をみてみると、今のところ、明瞭に発達させている計算はほとんど見受けられませんが、ラニーニャ現象の影響もあり、フィリピン沖の海水温は平年より高く、広く30℃以上となっています。
熱帯擾乱が発達するには好都合の環境となっていますので、今後の予想に注目です。
参考:デジタル台風
9月17日11時加筆:エルニーニョ現象をラニーニャ現象に修正しました。