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9戦全勝6KOのキューバ人ヘビー級サウスポー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Amanda Westcott/SHOWTIME

 デビュー以来8連勝中だったキューバ人ヘビー級のレニエ・ペロ(30)が、11戦全勝KOのビクトール・ファウスト(30)とのサバイバルマッチを制した。

 第8ラウンドに右フックの捨てパンチをボディに見舞い、相手の視線が下にいったところで、狙い澄ました左ストレートを顔面にヒットした。

 その瞬間、ウクライナ人ファイターのファウストは戦意を喪失。同ラウンド2分28秒でペロが勝利を飾った。

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 ペロの身長は194cm、リーチが201cm。ファウストは、それを上回る身長196cm、リーチ206cm。

 序盤は長いリーチを生かしたファウストがペースを掴んだかに見えた。3回終盤にもカウンターでペロの動きを止めた。

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 が、ペロは、ファウストの攻撃に耐えながら、51発のボディショットを放ち、流れを引き寄せる。

 そして8回にウクライナ人ファイターの心を折った。ダメージを負ったファウストは戦いを止め、相手に背を向けた。

 試合後、敗者は言った。

 「6ラウンド以降、肋骨に痛みがあったが、試合を続けたんだ。でも、痛みが増していき、自分の能力をフルに発揮することができなかった。試合中私は、自分が試合をコントロールしていると感じていた。だが8ラウンド、痛みに耐えられず、動けなくなってしまった。ケガが原因で相手に勝ちを譲ってしまった…」

 確かに2名のジャッジが68-65、67-66とファウスト優勢と見ていたが、フィナーレは無残だった。

Amanda Westcott/SHOWTIME
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 勝利を掴んだペロも、リング上でファイトを振り返った。

 「とても難しい戦いだった。ファウストは素晴らしいファイターなので、ペースを上げて手を出した。ファーストラウンドから、私はボディを狙った。彼のパンチはそれほど強力ではなかったので、とにかく前進したよ。そして最後の一発を放つ瞬間を得た。

 英国人選手と戦いたいんだ。彼らが米国で戦うことを望むかどうか反応を窺いたい。自分は両手を広げて彼らを歓迎するよ。タイソン・フューリーやダニエル・デュボア、やってやろうじゃねえか!」

 ペロは低迷するヘビー級で、自身の存在を示せるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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