グリーンローソンは未来コンビニだった!!!
"グリーンローソン"というネーミングを聞いて脱プラや食品ロスやCO2の削減など追求したコンビニだろうと高を括って取材に行ったのだが、そこには未来のコンビニの姿があり大変ワクワクした。
グリーンローソンというネーミングだけは失敗だっただろうと思わせるほど、23の様々な取り組みのうち13個が初の取り組みとなり、しばらくは流通関係者の視察が続くような店舗となっている。
全ての取り組みを説明するのは、かなりの長文になってしまうので割愛するが、スプーン・フォークなどカトラリーを1ヶ月間のお客さまへの告知&周知の後、段階的に顧客理解を浸透させながら全面的に撤廃をしていく取り組みは使い捨て文化を無くしていこうという他の小売や外食に無い画期的な取り組みとなり、最終的に全面撤廃とはならない可能性もあるが、1店舗からの実証実験という事で中途半端では無い思い切った展開をする事は大変意義があると思う。
また、廃棄に繋がりやすいチルド弁当・常温弁当の品揃えを止めて、賞味期限が240日の冷凍弁当やお客さまの購買動向を見ながらモバイルオーダーで頼める店内調理のまちかど厨房で展開する事で食品ロス削減する取り組みは、工場で製造した冷凍では無い弁当を売るというコンビニの当たり前がこの店から無くなっているのも衝撃的だ。
あと、雑誌や本の展開も無い。取材した報道陣が誰も質問をしていないのを見ると、きっと品揃えが無い事は全く違和感が無いのだろう。返本の多さと作業を考えると、現実的な未来を見せられている気もする。
そして、なんといっても一番ビックリしたのはレジカウンター接客の店員が基本いない事だ。
コンビニの売上の約3分の1を占める酒・タバコの年齢認証の仕組みの導入が今回のレジカウンターを無人化を実現出来た理由となる。
レジで店員に接客してもらうためには、店内を巡回する“おもてなしクルー”にサービスカウンターで接客してもらう必要がある。“おもてなしクルー"は、店内のお困り事を解決したり、品出しや清掃をするのが主な仕事になり、まさに未来のコンビニが人手不足と収益確保のために、ワンオペを目指している事が如実に分かる。
今回は、店内調理のための店員2名を配置するようだが、こちらも最終的には調理する時間のみ勤務するなど人員も売上に応じてだが削減され、少なくとも常時勤務が必要では無い短時間勤務という状況となりそうだ。
また、今回はモニターのアバター店員が3名配置されていた。
アバターは複数店で勤務場所を選ばず働けるという事で、店内でのワンオペとなる"おもてなしクルー"の強い味方にもなるだろう。
現状はアバター店員はセルフレジサポートや入り口で挨拶したり、商品やサービスを説明する仕事に限定されているが、今後は店内の万引きなどを監視する警備員アバターや、法整備は必要だが、薬剤師の資格を持ちクスリ販売をするアバターなど、様々特徴を持ったアバター店員が複数店舗を管理して、お客さまの買い物サポートをしていくのだろう。
個人的には、カウンターコーヒーが飲料自販機のようにセルフ対応だったら良いのになあとか、ファミレスにあるようなドリンクディスペンサーが置かれればペットボトルの削減に大きく繋がるのになあなどと思ったりしたが、きっと様々な思いきった展開はすでに検討されていて、第2弾・第3弾として店舗での展開が進んでいくものと思われる。
今回の様々な取り組みは有料レジ袋の時のようにお客さまに慣れて理解して頂くのが最も大事で、グリーンローソンは、コンビニが未来のお客さまとどう共存していくかの試金石ともなりそうだ。
得てしてこういう新業態のコンビニは最初は華々しく後は尻すぼみというのが今まではほとんどだったが、今回は進化をするコンビニを絶対実現するという意気込みを感じる。そんなグリーンローソンには毎月1回は実験の試行錯誤を見に行きつつ買い物を楽しみたいと思っている。