「ヤフーの2020年問題」と称される特許を分析する
「ヤフーを待つ2020年問題 今年失効する重要特許TOP5」という記事に掲載されていた「個人情報保護システム、処理装置および記録媒体」という特許、非常に重要性が高いという見立てなので、(乗っかってしまってすみませんが)その内容について調べてみました。
特許番号は5142237号、出願日は2000年10月17日なので、今年の10月17日に権利満了します。スタートアップ企業により出願され、その後に個人の方(当該企業の関係者の方と思われます)に譲渡の後、さらに、2017年2月3日にヤフー株式会社に譲渡されています。何回も書いているように、一般的に、ドットコム系の新たなアイデアの「カンブリア爆発」が起きた2000年前後に出願された特許には要注意です。
発明の基本的アイデアは個人情報を保護するために、「実在人物」に対応する「仮想人物」を生成し、「実在人物」の属性をサービス提供者から隠して、「実在人物」と「仮想人物」の対応付けは別の信頼できる機関に任せるという仕組みです。1999年にマッキンゼーのコンサルタントが書いた「Net Worth」という書籍で提唱されていた「インターミディアリ」という概念を具現化するような発明であると思われます。
出願当初の請求項1を見ると、発明者が狙っていた特許の内容が理解しやすいです。
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