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【小ネタ】顔出し看板の起源の特許は明治7年登録

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
米国特許149724号

#本当に小ネタです。

「なぜ日本の観光地には「顔出し看板」必ずあるのか?」という記事を読みました。ちなみに海外の観光地ではそんなに見ないですがないことはありません。大部前にケネディスペースセンターで見たことがあります。ちなみに英語では、顔出し看板(顔ハメ看板)のことは"comic foreground"と呼ぶようです。

さて、上記記事中に

1874年に米国の画家クーリッジが、「紙に体の絵を描き、実際の顔と組み合わせた写真の撮影ができるように穴を開けた看板」で特許を取得したのが「顔出し看板」の発祥とされます。

と書いてあったので調べてみました。1874年4月14日に登録された149724号(IMPROVEMENT IN THE PROCESSES OF TAKING PHOTOGRAPH PICTURES(「写真撮影プロセスの改良(栗原訳)」) )です。142年前(明治7年!)の特許公報がオンラインで検索でき、かつ固定リンクが張れるのは素晴らしいですね。

米国特許149724号
米国特許149724号

当時はクレームという概念がなかったので権利範囲がわかりにくいですが、人の頭と絵に描いた小さい体を同時に撮影することがポイントなので、穴から顔を出す一般的なタイプも含めて顔出し写真のアイデア全体をカバーするものではなさそうです。この時点で顔出し写真が公知だったのか(ゆえに限定した形で特許を取ったのか)、それとも、一般的な顔出し写真はこの後に生まれたのかはもう少し調べてみないとわかりません。

弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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