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【ルーズリーフ】『成瀬は天下を取りにいく』に登場するルーズリーフは今どうなっているのかをまとめました

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

スマートバインダー(マルマン)
スマートバインダー(マルマン)

『成瀬は天下を取りにいく』

 2024年の本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』(宮島三奈 新潮社)。

 その主人公、成瀬あかりが何か思いついたときに取り出して書くのがルーズリーフです。

 本作『成瀬は天下を取りにいく』において行動の原動力となっているのは、まずルーズリーフに書くことなのです。

 存在感こそ、友人の島崎あかりや大貫にはひけを取りますが、劇中での重要さという点で言えばこのルーズリーフの意味は非常に大きいのです。

今ルーズリーフはどうなっているのか

 さてそのルーズリーフです。


 ルーズリーフは、学生時代に誰でも一度は使ったことがある差し替え式のノートして認識されていると思います。
 今どうなっているのか、とはなんとも大仰(おおぎょう)な問いじゃないかとお考えの皆さんも多いかと思います。

 この問いが可能になるぐらい、この数年ルーズリーフに新しい動きが生まれています。 具体的には、用途の拡大。意外なメーカーの参入。そしてバインダーの形状やルーズリーフ自体のサイズが広がっていることでしょうか。
 それまでのコクヨ、マルマンという学習用のものの周辺に新しい市場が生まれています。例えば、アートプリントジャパンは、学生用の「スタディスケジュールプランナー」を数年前から発売しています。また日本能率協会マネジメントセンターも大人のためのルーズリーフとして、「NOLTY notebook kukuru」を発売。同時に新型のバインダーも登場しています。

ノートのように使えるバインダー(コクヨ)
ノートのように使えるバインダー(コクヨ)

新アイテムや新サイズがいろいろ登場しています

 コクヨ、マルマンもそれぞれ、ルーズリーフのカテゴリーに新製品を軌道に乗せつつあります。コクヨの「ノートのように使えるバインダー」は、それまでのルーズリーフのリングを上下4カ所まで削減、記入時に手がリングに当たるデメリットを最小限にしています。また、バインダー本体がスリムになり持ち運びやすくなっています。

 マルマンの「ルーズリーフミニ」もすっかり定着した感じがあります。専用バインダーはカラーやテイストで数種類用意されています。リーフ自体も、罫の幅が異なる横罫3種や、方眼罫、さらに学習用の単語罫や赤い暗記シートまで用意されています。また、穴のピッチ自体は、通常のルーズリーフと同じです。大きなバインダーにもセットして利用できるのです。

ルーズリーフミニ(マルマン)
ルーズリーフミニ(マルマン)

 このように、成瀬がまずプランを書くルーズリーフは、用途も拡大し、参入メーカーも増え、バインダーやリーフ自体の形状も多様化しているのです。

 果たして、次回作にはルーズリーフは登場するか、否か。

 3作目も楽しみですね。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は日経新聞「あとがきのあと」登場ほか、大学受験の問題に2回出題。その他『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も行う。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。自ら作詞作曲して手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。新曲「一般男性」も発表し、新知財プロジェクトも発表。人呼んで言葉のイノベーター。

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