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ホークス三森大貴が外野手も挑戦!悲劇の2度骨折を乗り越え1軍復帰狙う

田尻耕太郎スポーツライター
内外野を守れるユーティリティプレーヤーとして1軍復帰を目指す

【8月13日 ウエスタン・リーグ ソフトバンク11-3中日 タマスタ筑後】

 ソフトバンク・三森大貴内野手が2軍戦で外野手に挑戦している。

 今月6日・中日戦(ナゴヤ)は「2番一塁」で先発出場したが、6回裏の守備から左翼手へ回った。7日の同戦(バンテリンドーム)は代打出場から右翼へ。中日3連戦最終日(バンテリンドーム)だった8日は「2番右翼」でスタメン出場した。9日からの広島3連戦(いずれも由宇)では初戦でまた右翼手を務めた(2戦目は一塁手、3戦目はDH)。

タマスタ筑後のスコアボード。ライトフィールダーの「RF」に三森の名前がある
タマスタ筑後のスコアボード。ライトフィールダーの「RF」に三森の名前がある

 そして、13日の中日戦(タマスタ筑後)では再び「2番右翼」でスコアボードに名前を連ねた。この日は1打席目に左前打を放つなど2打数1安打2四球の打撃成績だった。

二塁のレギュラー候補

 昨季まで1軍では3年連続で年間300打席以上に立ち、主に二塁を守ってきた。今季は牧原大成内野手との競争で控えに回ったものの開幕1軍でスタートしていた。しかし、まだ開幕2カードだった4月2日のロッテ戦の試合前シートノックで、ノックの打球を右手人差し指に当ててしまい骨折した。

 それでも同月28日に牧原大が故障でファーム調整が決まると、骨折にもかかわらず驚異的なスピードで1軍復帰。5月6日の日本ハム戦では今季1号本塁打を含む4打数3安打4打点の活躍を見せるなど二塁の定位置確保へアピールしていた。

 しかし、5月30日の巨人戦に「7番・二塁」でスタメン出場していたが、5―0で迎えた3回の守備で、先頭・岸田のゴロを捕球しようとした際に打球を右手人差し指に当ててしまった。本多内野守備走塁コーチに付き添われてベンチで治療を受けたが、そのまま交代。診断の結果、またも骨折と診断され、全治まで2~3か月とされていた。

外野挑戦を自ら志願

 2度目の骨折も見込みより早い、7月26日のくふうハヤテ戦で実戦復帰を果たしたが、そのタイミングに合わせてファームの首脳陣らに自ら外野挑戦の意思を相談して了承を得ていたという。

「自分の今の状況もそうですし、チームの状況だったりというところで。外野もやりながらの方がいいのかなと考えました」

 内野のポジション奪取を諦めたわけではないが、総合的に判断をして実は今春のキャンプ時から頭の中で考えていたという。城所龍磨2軍外野守備走塁コーチにも相談をしてチームメイトの打撃練習中に外野を守ったこともあったという。城所コーチも「それを見て行けるなとは思っていました。センスも感じる」と評価している。

 また、じつは1軍通算363試合出場の中で、過去に1度だけ外野を守った経験もある。2020年7月5日の日本ハム戦(札幌ドーム)にバレンティンに代わって左翼手に就いた。

「工藤(公康)監督の時に少し練習したことがありました。だから今もそんなに違和感はないです」

 守備と同様に打撃センスにはもともと定評がある。離脱前まで25試合出場で打率.288、1本塁打、13打点の成績を残していた。優勝へ突っ走る終盤戦の大事なピースになるべく、なりふり構わず1軍復帰へアピールするのみだ。

ソフトバンク2軍、首位中日相手に大勝で勝率3厘差に

【8月13日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 2,402人】

中日     `001002000 3

ソフトバンク `50000501× 11

<バッテリー>

【D】●福田(1勝2敗)、田島、土生、森山――石橋、日渡

【H】尾形、中村亮、笠谷、◯宮里(2勝0敗)、渡邊佑、鍬原――谷川原、嶺井

先発して3回1失点の尾形崇斗。この日は「ブルペンデー」だった
先発して3回1失点の尾形崇斗。この日は「ブルペンデー」だった

<本塁打>

【D】ビシエド6号 【H】ウォーカー7号

<スタメン>

【D】8濱 8ロドリゲス 9上林 3ビシエド 7加藤翔 D中島 2石橋 5津田 4樋口

【H】7佐藤航 9三森 4廣瀨 5井上 3吉田 8笹川 Dウォーカー 2谷川原 6イヒネ

<得点経過>

1回裏【H】井上の押し出し死球で先制。吉田の三ゴロを悪送球で2者生還。笹川の痛烈な中越え二塁打で2点追加。(H5-0D)

中越え二塁打を放った笹川
中越え二塁打を放った笹川

3回表【D】濱の内野ゴロの間に三塁走者が生還(H5-1D)

6回表【D】ビシエドが左越え2ラン(H5-3D)

ビシエドの第1打席。本塁打は3打席目に飛び出した
ビシエドの第1打席。本塁打は3打席目に飛び出した

6回裏【H】ウォーカーが弾丸ライナーでレフトへ3ラン。相手ミスと廣瀨の適時打で追加点(H10-3D)

8回裏【H】佐藤航の飛球を中堅手が落球して走者生還(H11-3D)

(※写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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