数年後に殿堂入りしそうなベテランの「ラスト登板」はいつ。もしかするとすでに終わっている!?
8月31日、CC・サバシア(ニューヨーク・ヤンキース)が、今シーズン3度目の故障者リストに入った。前日の登板中、サバシアは右膝を痛め、3イニングを投げただけで降板した。その前の2度も、故障したのは右膝だった。
4月に「イチローと同じ年のデビューと引退に加え、殿堂入りも同時!?」で書いたとおり、サバシアは今シーズン限りの引退を表明している。もしかすると、8月30日の試合が、キャリア最後の登板になるかもしれない。
7月に右膝を痛めた際は、復帰まで3週間を要したが、その前の5月下旬は、最短の10日間で故障者リストから復帰した。今回もそうであれば、サバシアにはまだ登板機会がありそうに思える。9月10日以降、ヤンキースは17試合を行う。ただ、MLB.comのフェインサンドによると、サバシアは痛みについて、10段階の10と表現したという。痛み止めの注射を打っても投げたいらしいが、予断を許さない。
また、ヤンキースは両リーグ・ベストの勝率.650(89勝48敗)を記録していて、このままいけば、ポストシーズンのどのシリーズでも、ホーム・フィールド・アドバンテージを手にする。けれども、ヒューストン・アストロズ(勝率.642/88勝49敗)とロサンゼルス・ドジャース(勝率.638/88勝50敗)との差はわずかだ。昨年のポストシーズンは、ワイルドカード・ゲームを除く7シリーズのうち、ホーム・フィールド・アドバンテージを持つチームが、6シリーズを制した。また、過去10年(2009~18年)のポストシーズンにおいて、ホーム・フィールド・アドバンテージを持つチームが敗退するシリーズの方が多かったのは、2011年と2014年の2度しかない。
オールスター・ブレイク後のサバシアは、6試合に登板して、0勝4敗、防御率7.77だ。ヤンキースが勝ったのは、7月16日の1試合のみ。その後は、5試合とも敗れている。
ポストシーズンのロースターに、サバシアが入ることはないだろう。先発投手は、基本的に4人だ。田中将大、ジェームズ・パクストン、ドミンゴ・ハーマン、J.A.ハップ。5人目のサバシアは、必要ない。しかも、サバシアのリリーフ経験は皆無に等しい。メジャーリーグの558登板だけでなく、マイナーリーグの54登板も、すべて先発マウンドに上がった。例外は、8年前のディビジョン・シリーズ第5戦だけだ。この時も、サバシアはリリーフとしてロースター入りしたのではなく、第1戦と第3戦に先発した。