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41歳。未婚男性。僕、謝ったのに許してくれない人は嫌いです~40歳からの婚活入門(20)~

大宮冬洋フリーライター
東京・門前仲町の燻製バルにて。高嶋さんは細身で爽やかな男性です(筆者撮影)

 アラフォーの独身女性は生きづらいと思う。出産のリミットを感じながらの婚活は苦しいし、既婚者とはその辛さや孤独感を共有できない。話が合う友人知人がだんだん少なくなる。シングルマザーの場合はより深刻だ。幼い子どもがいると仕事・恋愛・趣味のいずれにも時間を取れず、母子で孤立しやすい。

 だからこそ、彼女たちの話を聞きたい。匿名でいいから、その状況と胸の内を教えてほしい。同じ40代として腹を割って語り合う気持ちで本シリーズを続けている。

 では、彼女たちのお相手となるべき40代の独身男性はどんな心境なのだろうか。今回は都内で働く41歳の未婚男性に話を聞いた。

***会社員、高嶋直人さん(仮名、41歳)の話***

元号が変わるまでに婚約をしたい

 ある大企業で研究職をしています。目標は、平成の世が続くうちに婚約をすることです。居心地が良くて、ケンカのない家庭がいいですね。

 結婚したい理由ですか? 就職と同じで、「通らなければならないもの」という意識が強いです。そろそろ子どもを育てる経験をしないといけない、と思っています。

 僕は自分が少し変わっていると自覚しているので、同じぐらい変わっている女性を好きになります。先日、ある食事会に参加したら、「ざわつく」という言葉を面白い文脈で口にする女性が近くにいて嬉しくなりました。それだけで食事会に参加した意味があった、と思ったぐらいです。

 逆に言えば、面白いと思わない限りは人を好きになりません。月に2、3回は合コンに参加していますが、「いいな」と思っても、「でも話が続かなさそう」と思うとあきらめてしまいます。ピンと来てデートをしても、2度目に会いたいとは思わないことがほとんどです。この年齢で「とりあえず付き合う」のは相手に失礼ですし……。

お酒はあまり飲まないという高嶋さんと燻製料理を楽しみました(筆者撮影)
お酒はあまり飲まないという高嶋さんと燻製料理を楽しみました(筆者撮影)

40歳にして20代中心の「ガチンコ」の音楽サークルに加入

 去年の夏、1年間ほど付き合った女性にフラれました。僕より5歳年下で、美大卒の社内デザイナーです。出会いはやっぱり合コンで、話が合ったし一緒にいて居心地が良かったので付き合いました。1年間付き合うことができたら、結婚の話を切り出そうと思っていたんです。

 当時、今も所属している社会人音楽サークルに入ったばかりでした。若い人も多くて、毎週欠かさずに練習をしているガチンコのサークルです。練習が長引いて、彼女とのデートに遅刻することもありました。

 その日は、衣装の受け取りをしなければならず、彼女との待ち合わせに2時間も遅れてしまったんです。もちろん、事前にLINEをしました。でも、「なぜそんなに遅れるのか」と激怒した返信が来ました。

 夜にもう一度謝り、1週間後にも「会おう」とLINEしたのですが、「思うところがあるので会いたくない」との返信。それで終わりです。未練は特にありません。僕、謝っているのに許してくれない人は嫌いなんです。

 今でも毎週のように合コンの誘いはあります。パーティーピープルみたいな友だちがいて、しょっちゅう誘ってくれるんです。でも、結婚相手を探すためには合コンは向いていないのかなと思い始めています。結婚相談所に入るかどうかを検討しているところです。

***筆者より高嶋さんへ***

「すぐにでも結婚したいけど好きな人がいない」とボヤいているアラサー女性と似ています

 謝っているのに許してくれない人は嫌いなんです、と高嶋さんが淡々とした口調で言い切ったとき、僕は思わず爆笑してしまいました。大企業でちゃんと働いていて、スマートで感じもいい高嶋さんのどこが変わっているんだろう、と不思議に思っていましたが、確かにあなたはちょっと変わっています。デートに何度も遅刻したのは自分なのに反省が足りませんよ!

 高嶋さんと話していて感じるのは、「都会のアラフォー独身男性はのん気だな」ということ。アラサーの女性が「好きな人とならすぐにでも結婚したい」などとボヤいているのと似ています。趣味や仕事が充実していて、独身の友人も周りにいるので、危機感が薄いのでしょう。高嶋さんは40歳を過ぎてから「毎週末の練習参加は必須」な音楽サークルに入りました。当時35歳だった彼女が呆れるのも無理はありません。

 これからアラサーの女性と結婚して子どもを作りたいと思うのならば、相手からは「大人の振る舞い」を期待されていると肝に銘じたほうがいいでしょう。少年のような高嶋さんにそれが無理ならば、同世代もしくは年上の女性に可愛がられながら楽しく暮らすほうが幸せになれる気がします。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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