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補助金は、人を馬鹿にする。

秋元祥治やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

この前とある国会議員さんと話していて産業政策についてのご意見交換になった際に、おっしゃったのがこんな言葉。

補助金は、人を馬鹿にする。

昨日は、中小企業庁の方々とご意見交換する中で、以前の中企庁長官のなかには「補助金を全廃して中小企業支援は、コンサルと金融に特化すべきだ」という私見を持った方もおいでになったという話を耳にして。極論だけれど、かなりの説得力もまたあると思いました。

そもそも、私企業は自分たちの儲けのためにビジネスに一生懸命取り組んでいるのに、公益だとか弱者支援とかって理由で補助金の投入は必要なのか。みんなに補助金情報が生きわたっているかといえばそうでなく、知っている人、申請書と報告書を行政が望むように書いてくれる人(使い慣れている人)に対して重点的に個別に情報提供している中で、確かにWEBにあげたといえばそれだけだけれど、公正な市場競争を逆に歪めていないか?

行政が、成長分野を定めて、かつ見込みのある企業に補助を通じて重点支援するというけれど、そんな目利き力があるというのか?(あるんだったらVCでもやったらよいよ、自分の金で)

そして、なによりもらった人は

一度やったらやめられない、麻薬のようじゃないか。

と思うのです。もちろんみんながみんなってことじゃないけれど。

使うのならば、そこに依存することなく、収益を今後産んでいく新たなチャレンジを加速させるための補助エンジンとして活かせるかどうか。本業の運転資金的に使い出したら、やばいと思う。

その後の事業自立や加速の見通しを、後押しするために活用すべき

だけど、一度もらうと美味しいから、次の補助はないかと探し続けちゃう。

最近訪問したとある企業も、よく役所のそういうページを見てる。またほしいもん。。。と。

ものづくり補助金、持続化補助金、創業補助金・・・

とここのところ、矢継ぎ早な補助金祭りは、なんだか終わりの始まりじゃないか。

とおもったりする。創業したらお金くれる、ってなんだか変じゃないか。

そりゃ、くれるなら嬉しいよみんな。

だけれど、財源は無限じゃない。開業率が減っているのはチャレンジャーが減ったんじゃなく、生産年齢人口が減ってきていることに起因するのではないか?

もちろん、初期投資が膨大に成る基礎研究や、国家間競争の激しい分野での研究開発など、私企業だけでは競争力が維持できない分野が在るのは理解していますし、補助金を上手く活用してその後収益を上げていっている中小企業の存在も存じ上げています。

もらっていると、時に顧客でなく、お金をくれる行政を大事にしちゃわないか?

目がお上を向く、、、ヒラメになりはしないかという、不安。

意義も在る。でも、それを超える弊害やリスクが有るのでは、ともおもうのです。

(ちなみに、G-netの補助金への依存は、例年0-5%程度です)

岡崎ビジネスサポートセンターOKa-Bizでは、先月も月間140件を超える個別相談に対応をさせていただきました。

ただ中には「お金もらえる、補助金があるって聞いたんで」って、やってくる人もいる。

もらわなきゃ損でなく、どうそのお金を活かしせるのか。そうでなければ、税金をもらうべきじゃない。

そこに知恵と意図を持ちたいと思います。

秋元祥治・公式ブログ http://akimotoshoji.blog.jp より

やろまい代表取締役/武蔵野大学EMC教授/オカビズ

01年より、人材をテーマにした地域活性に取り組むG-netを創業し03年法人化。現在理事。13年オカビズセンター長に就任。開設9年で約3300社・2万2千件超の来訪相談が押し寄せ、相談は1ヶ月待ちに。お金をかけずに売上がアップすると評判で「行列のできる中小企業相談所」と呼ばれている。2022年より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授に就任。内閣府・女性のチャレンジ支援賞、ものづくり日本大賞優秀賞、ニッポン新事業創出大賞・支援部門特別賞ほか。内閣府「地域活性化伝道師」等、公職も。著作「20代に伝えたい50のこと」、KBS京都「KyobizX」・ZIP-FM「ハイモニ」コーナーレギュラーも。

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