収納貧乏症には要注意!暮らしには余白が重要です。
片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。暑い日が続いていますね。今年はあまり梅雨らしくない6月です。
さて今回は、『収納貧乏症には要注意!』というタイトルでお話ししたいと思います。
私は8年間、1,000回近く、たくさんのご家庭に暮らしを改善しています。そんな中、収納をがんばっているのに、なんだかスッキリしない、片付けてもすぐに散らかるという人も多いです。そんな人は『収納貧乏症』になっている可能性があります。
収納貧乏症とは
収納貧乏症とは、家の中の中に少しでもスペースを見つけると、スペースがもったいない!!と感じてしまい、何かを置いたり、収納したりしたくなる人の事を言います。(私が独自に命名した造語です。)
また、何か便利なグッズで少しでも収納スペースを増やすことに喜びを感じる人も収納貧乏症です。特に何を収納するわけでもなく、何かを収納できそう、と思って、あらたな収納グッズに手を出す人も予備軍です。
それを聞いて、自分の事かも!と思われた人も多いかもしれません。
収納の余白(ゆとり)の重要性
暮らしていると、もちろん物の量は一定ではなく、急に増えたりします。その度に、収納スペースがないと、廊下に置きっぱなしになったり、空いている部屋がある人は物置部屋になってしまっていくのです。また、収納内をギュウギュウに詰め込んでしまうと、出し入れがしにくくなってしまいます。出す時は、物が必要なので、なんとしてもがんばって出すのですが、しまう時は面倒になってしまい、出しっぱなしになってしまいがちです。
ですので、使う物こそ、収納スペースにゆとりをもって収納しないと散らかる原因になってしまいます。
お客様の中には収納内のスペースだけでなく、暮らしのスペース自体も空いていると収納にしたい!と思ってしまう人もいます。
例えば、腰高くらいの高さのタンスがあったのですが、その上の空間がもったいない、と思い棚(カラーボックス)を載せて収納スペースにし、さらにその棚(カラーボックス)から天井までの隙間ももったいないと感じて、段ボール箱などを積み重ね、天井まで物がぎっちり詰まっている家もありました。それは収納上手ではなく、まさに収納貧乏症。
我が家の収納の余白
冷蔵庫
冷蔵庫は常に食材が入れ替わります。残り物や作った物を家族に出すまでおいて置くなどで大きいスペースが必要になるので、余白のスペースを予め確保しています。
食器棚
急にいただくお菓子類や、一時的に増えてしまう食品などを収納するスペースとして、余白を作っています。このスペースのおかげで、キッチンカウンターがスッキリします。
収納庫
廊下に収納庫があり、雑貨や小物、書類などが収納していますが、実は空っぽ引出しがあります。
今は入れる物がないので空けていますが、皆さんは、空いているのはもったいない、と感じますか?
クローゼット
一番、余白を意識してほしいのがクローゼットです。ギューッと詰め込んでいる人が多いのです。クローゼット整理を一緒にする時も、出すだけで一苦労。基本的にはバーの長さ÷3でハンガーの本数を決めるのが適正量とも言われています。
例えば、100cmのクローゼットなら33~34本程度だと程よくゆとりがあると思います。
ちなみに私のクローゼットは100cmに35本かけています。ギューッと詰めたら半分くらいが余白です。
本当にギュウギュウ詰めにすれば、70本ほど掛けられるのですが、そうすると、出し入れしにくくなったり、衣類がシワになったり、さらには通気性が悪くなり服が傷む可能性もあります。
収納のゆとりが心のゆとり
我が家の各スペースでの余白をご紹介しましたが、これら以外にも自宅にはたくさんの余白があります。余白を意識しないと、毎日の暮らしにゆとりがなくなってしまいます。
私はいつも、片付けが苦手な方のご自宅をサポートしていますが、だいたい皆さん、ギュウギュウに詰め込んでいて、出すのも大変だし、戻すのはもっと苦労します。物の出し入れにに時間がかかると、日々の生活に支障が出てきてしまいます。
毎日の些細な行動1つずつがスムーズではなく、なんだかイライラし、メンタル的にも非常によくないのです。
空いているスペース(余白)をゆとりと感じるか、もったいないと感じるかによって、確実に暮らしの質は変わってきます。なかなか気持ちを切り替えるのは難しいかもしれませんが、暮らしを今より良くしたいのなら、詰め込み過ぎはやめて、余白を意識してみて下さい。