Yahoo!ニュース

親の「認知症」が心配!「地震」も怖い!お盆帰省を上手に活用しよう #専門家のまとめ

太田差惠子介護・暮らしジャーナリスト
イメージ画像(提供:イメージマート)

「そろそろ介護?」と離れて暮らす老親のことを心配しつつ帰省する人は多いと思います。久しぶりに会った親のようすに「なんだか変!」と違和感を覚えている人もいるかもしれません。

「歳だから」とスルーするのではなく、「観察」視点を持って、親やその住まいの様子を確認してみましょう。親の異変の正体が見えてくるかもしれません。もし支援や介護が必要になっても、早めに気付けば治療するとか、サービスを入れるとか手を打てるので、現在の1人暮らし、2人暮らしを長く続けられる可能性があります。

ココがポイント

▼親と会って、「あれっ?」と思うことがあれば、「親のこと気づきメモ」を作って、時系列で記入しておくと後々見返せて便利です。

知らぬ間に親の認知症が進んでいた!というケースも…今こそ考えたい「離れて暮らす親の見守り方」(レタスクラブ,毎日が発見)

▼帰省して実家を見渡すと、親の異変をキャッチできることがあります。その代表格は「冷蔵庫」。喉がかわいた、と言って開けてみて!

帰省するならここを見ろ!親の認知症チェックポイント もめない介護137(なかまぁる,朝日新聞)

▼南海トラフの「巨大地震注意」報道を見て、親子それぞれが心配を抱えていると思います。帰省時にできる備えを確認しましょう。

・離れて暮らす高齢の親を「地震」から守る!「お盆帰省」でやっておきたいこと (yahooエキスパート太田差惠子)

エキスパートの補足・見解

 久し振りの帰省では、親も張り切って迎えてくれるので、意識してチェックしないと異変を察知することは難しいと思います。多くの親は「子どもに迷惑をかけたくない」と思っており、普段以上に元気に振る舞う可能性大です(かといって、「チェックするぞ」という態度を悟られないように気を付けましょう。親を不快にさせます)。

 認知症に限らず、気がかりなことがあったら、親の地元の地域包括支援センターに相談を。認知症を疑う場合は、「歳だから仕方ない」と考えず、早めに専門医を受診しましょう。専門医の所在が分からない場合は、かかりつけの医師に相談すると紹介してくれます。

 認知症と思ったら、別の病気、ということもあります。認知症の場合も、早めに薬を服用することで、症状が安定したり、進行がゆるやかになることもあります。

 さらに、今は親子それぞれが地震のことを心配しているタイミングです。一緒に避難のシミュレーションをするなど具体的な備えを。きっと互いの安心感につながります。

介護・暮らしジャーナリスト

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換場、NPO法人パオッコを立ち上げて子世代支援(~2023)。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第3版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版』(以上翔泳社)『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門』(共著,KADOKAWA)など。

太田差惠子の最近の記事