2019年5月、マテウス・アサト来日公演。エモーション&テクニックの新世代ギターに浸る夜
世界から注目を集めている新世代ギタリスト、マテウス・アサトが2019年5月、ジャパン・ツアーを行う。
1993年、ブラジルに生まれたマテウスは9歳のときにギターを始め、19歳のときに米ハリウッドのMI(ミュージシャンズ・インスティテュート)で本格的に学んでいる。類い希なるセンスとテクニックで頭角を現した彼はライヴ活動やSNSで話題を呼び、現代のギター・ミュージックを担う重要アーティストの1人として絶大な支持を得てきた。
彼の実力は世界のトップ・アーティスト達の知るところとなり、来日直前の4月にはブルーノ・マーズのラスヴェガス公演にギタリストとして起用されたばかりだ。
2017年8月・11月に日本公演を行い、これが3度目の来日となるマテウスだが、今回は最大規模のツアー。過去2回がバッキング・トラックを使ったステージだったのに対し、今回はトリオ編成のバンドでのライヴ・パフォーマンスとなる。
“中間地点”のミュージシャンと、マテウスは自分を表現する。「ポップやR&B、ヒップホップが大好きだし、自分の“曲”を聴いて欲しいんだ。それと同時にスティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニ、エリック・ジョンソン、ポール・ギルバート、ヌーノ・ベッテンコートのようなヴァーチュオゾ(名手・達人)からも影響を受けてきた。2つのスタイルの真ん中にいるのが、自分だと思う」
リリカルなメロディと表現力、高度なテクニックを兼ね備えた音楽性がギタリストやギター・ファンのみならず一般音楽リスナーを巻き込んだ人気を誇るマテウスだが、驚くべきことに自分名義のアルバムをまだ出したことがない。動画サイトやSNS、あるいはライヴで彼の演奏に恋に落ちたリスナーがCDショップに走っても、彼のアルバムは1枚も置かれていないのだ。
「それが僕の個性なんだ。これまでの業界モデルだとミュージシャンはライヴをやって、それを見たファンがアルバムを買うことでサポートしてきた。僕の場合、YouTubeやFacebookで音を聴いたリスナーが興味を持ってライヴに来てくれる。アルバムを出していなくて、SNSでしか見かけないせいで、ファンの間で秘密の同好会みたいな、コミュニティ意識が生まれるんだ」
ただ、2019年後半には初のアルバム作りに入るつもりだという。
「そろそろ機が熟したと思う。クリエイティヴなアウトプットとして、アルバムというプラットフォームは大事だからね」
マテウスは現代のギター・ミュージックが置かれている状況について、こう語ってくれた。
「ギター・ミュージックは今、すごく刺激的な状況にあるよ。現代のギタリスト達はどれだけ速く弾くか、どれだけ難しいソロを弾くかよりも、コンポーザーやプロデューサーとしての表現を志向している。ポリフィアやCHON、アニマルズ・アズ・リーダーズのミュージシャンシップは素晴らしいね。去年ロサンゼルスで見たポリフィアのライヴは、バンドも観客もすごい盛り上がりだった。テクニック革新も目覚ましいし、最高にクールな状況だよ。ヒップホップやEDMが流行っているからといって“ギターは死んだ”なんて言っている奴は何も判っちゃいない」
いま新しいことが起ころうとしている、2019年のギター・ミュージック界。25歳の新世代ギタリストによる来日ライヴは、ひとつの歴史の転換点となるだろう。
「これまでより大きな会場でプレイするし、よりエキサイティングなライヴになるよ。ありったけのエモーションを込めたギターをたっぷり聴くことが出来る」
現在の活動拠点であるアメリカやアジア諸国で精力的にライヴ活動を行っているマテウスだが、日本には特別な想いがあるという。
「祖父母が沖縄育ちで、ブラジルに移住したんだ。父方が日系なんだよ。残念ながら僕は日本語は話せないけど、これから何度も日本に来て、習得するつもりだ。それまではギターを通じてコミュニケーションしたい」
【MATEUS ASATO JAPAN TOUR 2019】
- 5月10日(金)東京 下北沢GARDEN
- 5月11日(土)静岡 FUJI & SUN'19
- 5月12日(日)大阪 246 LIVEHOUSE GABU
- 5月13日(月)名古屋 BLUE NOTE
- 5月14日(火)横浜 Motion Blue
AMSA Records
アーティスト公式ウェブサイト