Yahoo!ニュース

メルヴィンズ来日インタビュー/“普通でない”アルバムで進む別選択肢ロックの道

山崎智之音楽ライター
Buzz Osborne / photo by saylaphotos

アメリカの“オルタナティヴ=別選択肢”ロックの重鎮として君臨してきたメルヴィンズが2024年3月、来日公演を行った。

情け容赦なくヘヴィで現代のパンク、グランジにも影響を与えた彼らだが、今回のライヴは40年を超える歴史からピックアップしたオールタイム・ベスト。初期の名盤『Bullhead』(1991)やメジャー作『フーディニ』(1993)からのクラシックスをはじめ新旧ナンバーをプレイ、アンコールではスペシャル・ゲストのBorisを招いた「Boris」で会場全体をグルーヴの大渦潮に巻き込んだ。

バンドの屋台骨を支える“キング・バゾ”ことバズ・オズボーン(ギター、ヴォーカル)は年輪を刻んでさらにパワー・アップしている。相棒のデイル・クローヴァー(ドラムス)は体調不良でツアーを欠席したが、かつて日本に同行したこともあるコーディ・ウィリスが限定復帰。そして近年では準レギュラー参加のスティーヴ・マクドナルド(ベース)と、火を噴きそうに強力なトリオによるステージ・パフォーマンスは、その覇権が揺るがぬことを高らかに宣言するものだった。

そんな興奮が冷めやらぬ中、4月19日にリリースされる新作アルバムが『タランチュラ・ハート』だ。19分におよぶ「ペイン・イコールズ・ファニー」から繰り広げられるメルヴィンズ絵巻は盤石のヘヴィネスと奇想天外な展開を兼ね備えたもの。レコード会社のプレス資料に「最もunconventional(普通でない、慣例でない、異例)で、最もキャッチーで、最も想像力に富んだ作品」と表現されているのも頷ける作風となっている。

“普通でない”ニュー・アルバムについて、来日中のバズが語った。

Melvins『Tarantula Heart』ジャケット(BIG NOTHING/2024年4月19日発売)
Melvins『Tarantula Heart』ジャケット(BIG NOTHING/2024年4月19日発売)

<アルバムの作り方が普通でなかった>

●デイル・クローヴァーの体調はいかがですか?

デイルは背骨が悪いんだけど、当初心配したほど悪くはなくて、順調に回復しているよ。ただ、ビザや飛行機のチケットを取る時点ではどうなるか先が見えなかったんだ。それでコーディ・ウィリスに頼むことにした。彼はメルヴィンズでプレイしたことがあるし、日本にも来たことがあるからね。幸い彼のスケジュールは空いていて、ドラマーとしてツアーに同行してくれることになったんだ。デイルはレッド・クロスのメンバーでもあって、まずはこの夏、彼らと北米ツアーに出る予定だ。その間、俺はトレヴァー・ダンとのアコースティック・ツアーで55回のショーをやるよ。彼とは長い付き合いだし、ファントマズで一緒にやったこともある。すごく楽しみにしているよ。

●『タランチュラ・ハート』を海外でリリースする“イピキャック・レコーディングス”のプレス・リリースではunconventionalという形容詞が使われています。それはある意味メルヴィンズの作品すべてに当てはまるし、“イピキャック”は数多くのunconventionalなアーティストによる作品をリリースしてきました。サウンド・コラージュ(?)の『Prick』(1994)や無音のシングル「Shit Sandwich」(2001)のような作品と較べて、どんなところがunconventionalなのでしょうか?

どちらかといえばアルバムの音楽性よりも、作り方が普通ではなかったんだ。ミニストリーのロイ・マヨルガとデイルとのツイン・ドラムス編成でレコーディングした。LAにある俺たちのスタジオのメイン・ルームに2人のドラム・キットを置いて、俺とスティーヴン(マクドナルド、ベース)はコントロール・ルームでプレイして、アンプから出る音が干渉しないようにしたんだ。そうして俺がベーシックなリフを弾いて、20分ぐらいのジャムをした。それを8曲から10曲、2日間ぐらいかけて、リハーサルなしでぶっつけでやったんだ。それを録った音源を俺が何時間もかけて聴き返して、その中から一部をピックアップした。切り貼りはせず、x分x秒〜x分x秒までの塊を切り取って、それにまったく別のリフを書き加えたんだ。スティーヴがベース、俺がヴォーカルを乗せたことで、まるっきり新しい曲に生まれ変わった。

●曲をレコーディングしてから、そのドラム・トラックにまったく別の新しい曲を乗せたのですか?

そうなんだ。ロイは出来上がった曲を聴いて、すごく驚いていたよ。「何だコレ?」ってね。そうやってアルバムを作ったのは初めての経験だったし、今後またやるか判らない。ドラマー達に“今演奏しているトラックは別の曲になるかも知れない”という心の準備が出来てしまうからね。でも自分にとって新しい、興味深い作業だったよ。

●そんなアイディアはどこから得たのですか?

判らない。空中から掴んだんだ(笑)俺にとってはエレクトリック時代のマイルス・デイヴィス、例えば『ビッチェズ・ブリュー』(1969)や『オン・ザ・コーナー』(1972)とかのイメージだった。音楽的には異なるけど、偶発性のあるアプローチとかね。ロイが弾いたシンセもあちこちで入っているし、ウィ・アー・ジ・アステロイドでやっているゲイリー・チェスターもギターで参加している。彼は友人で、エド・ホールというバンドにいた頃からずっと何か一緒にやりたかったんだ。ゲイリーはベーシックなレコーディングが終わった後、オーヴァーダビングで参加している。俺1人の作業も多かったし、けっこう時間がかかったけど、楽しかったよ。「この2分は最高だから使おう」とかね。

●アルバムの制作はどれぐらいかかったのですか?

ドラムスは2日ですべて録ったよ。それぞれ3、4時間のセッションを2日やって、それで出来上がりだった。その後、俺とエンジニアのトシ・カサイで時間をかけて完成させたんだ。そっちには時間がかかったよ。ライヴを挟んだりもして、結局4ヶ月ぐらいかな。だから“普通でない”のはレコーディングのスタイルだね。ただ、アルバムを聴いた人も、きっと違和感をおぼえる筈だよ。何かがおかしい!って(笑)。

●アルバムの1曲目「ペイン・イコールズ・ファニー」はいきなり19分の大曲ですが、前作『バッド・ムード・ライジング』(2022)の1曲目「ミスター・ドッグ・イズ・トータリー・ライト」も14分ありました。『Bullhead』(1991)の「Boris」、『Lysol』(1992)の「Hung Bunny」など、メルヴィンズは名盤の最初にロング・ナンバーを収録することがしばしばありますが、あなたにとってやりやすい方程式なのでしょうか?

意図してやっているわけでもないけど、アルバムの1曲目には好きな曲を持ってくることが多い。好きな曲は終わらせたくないから、長くなってしまうんだ。おそらく、そういうことじゃないかな。

●ヴェノムをカヴァーしたシングル「ウォーヘッドb/wイン・リーグ・ウィズ・サタン」(2013)を発表していましたが、彼らの『アット・ウォー・ウィズ・サタン』(1984)も1曲目のタイトル曲が20分ありました。影響はあったでしょうか?

無意識下で影響があった可能性は否定しない。でも彼らのようなスタイルの音楽をやろう!と考えたことはないよ。初期のヴェノムは好きだよ。1980年代初頭、まだブラック・メタルと呼ばれるスタイルは存在しなかったし、彼らはもっとメロディックなヘヴィ・メタルをやっていた。それでもアルバム『ブラック・メタル』(1982)が後続のメタル・バンドに与えた影響は大きかったし、彼らがいなかったらスレイヤー、バソリー、ヘルハンマーなどは存在しなかっただろう。俺たちの場合それよりも、長い曲ではピンク・フロイドの「エコーズ」(1971)などから影響されたと思うよ。

●ピンク・フロイドは『原子心母 Atom Heart Mother』(1970)も1曲目が大曲ですね。

その通りだ。ピンク・フロイドはもう何十年も前から大好きなんだよ。

●彼らの「星空のドライブInterstellar Overdrive」をシングル(1996)でカヴァーしたのは、どんな考えがあったのですか?

“もしフリッパーがヘヴィ・メタルをやったら?”という試みだったんだ。フリッパーも好きなんだよ。長い曲も短い曲も、偏見を持たずに聴くようにしている。

●『タランチュラ・ハート』の曲はいずれも新たに書き下ろしたものですか?過去に書いたアウトテイクを流用したりしましたか?

大半は新規に書いたものだよ。ただし「ペイン・イコールズ・ファニー」で、俺がトレヴァー・ダンと作った『Gift of Sacrifice』(2020)から「Bird Animal」のリフをアレンジして使っているんだ。まったく同じではないけど、ヴァリエーション的な感じだよ。いろいろ考えてみて、こうするのがベストだと思った。“焼き直し”って言われるかも知れないけど、別に国政に関わることでもないし、深刻に考える必要はないんじゃないかってね。

●今回の日本公演はアルバムの発売前ということで、オールタイム・ベスト選曲のライヴという構成になっています。しかし、メルヴィンズにとって“ベスト選曲”とは何なのでしょうか?

まあ、俺たちにはヒット・シングルなんてないしな(笑)。自分たちの好きな曲、ライヴでいつもウケる曲をやっている。まだ発売になっていないアルバムから8曲プレイするバンドもいるけど、ファンの多くはそれを望まないと思うんだ。それよりも、みんなが知っている曲をプレイして盛り上げたいね。メルヴィンズで一番知られている曲は「ハニー・バケット」(1993)か「リヴォルヴ」(1994)じゃないかな。どちらもミュージック・ビデオが作られて、アルバムが発売された直後、午前2時ぐらいに数回MTVで流れた筈だよ。

●「ナイト・ゴート」も世界中のファンに愛される名曲ですね。

有り難う、俺も「ナイト・ゴート」は好きだよ。一時期、それらの曲を意図的にライヴのセット・リストから外していた時期もあったんだ。もう昔の曲だからってね。でも昔の曲だからこそ新鮮に感じることもあって、今ではプレイするのを楽しんでいるよ。『Five Legged Dog』(2021)でいろんな曲をアコースティックでプレイしたのも良い経験だった。あのアルバムはパンデミック下で作ったんだ。レコーディング・セッションの前日に俺が4、5曲を提案して、スタジオで20分ぐらい練習したらすぐレコーディングした。そのうち36曲が集まったんだ。ギターとベースはコンソールに直接繋いで、ドラムスはブラシで叩いた。おそらく選曲は“ベスト・オブ・メルヴィンズ”に近いものだし、「ナイト・ゴート」はエレクトリックよりもずっと良い出来のヴァージョンだと思う。『ストーナー・ウィッチ』(1994)や『スタッグ』(1996)のような1990年代のアルバムは今、聴き直してみると、オーヴァー・プロデュース気味だよ。滅菌されてしまったように感じるんだ。

●それはメジャーの“アトランティック・レコーズ”から発表したこととも関係しているでしょうか?

レコード会社からの介入はまったくなかった。バンドに100%のアーティスティックな自由があるという契約だったんだ。俺たちは音楽とジャケットを含め、完成したアルバムを渡す。彼らが気に入らなかったら出さなくても良い。でもギャラは払わなければならないという内容だった。決して何百万ドルとかではなかったけど、バンド全員が半年ぐらい暮らせる金額だったよ。『フーディニ』(1993)1枚だけでクビになるかと思いきや、3枚も出してくれたし、文句はない。

Buzz & Wata / photo by saylaphotos
Buzz & Wata / photo by saylaphotos

<いろんなアートがある中で、最も俺の心を動かすパワーがあるのが音楽>

●メルヴィンズがこれほど長く活動してきた秘訣は何でしょうか?

バンド結成が1983年だからもう41年やっているんだ。“コーチェラ”みたいな野外フェスのヘッドライナーを務めるほどビッグではないけど、食い詰めるほど困っているわけでもない。誰もがK-POPのファンではない。俺たちの音楽を気に入ってくれるリスナーもいるんだ。彼らのためにベストな音楽とライヴ・パフォーマンスを提供してきた。それに俺たちは最高のアーティスト達から影響を受けてきたからね。ジュディ・ガーランド、ジミ・ヘンドリックス、ジューダス・プリースト、スロッビング・グリッスル、それからマイルス・デイヴィスやピンク・フロイド、ロキシー・ミュージック、ニューヨーク・ドールズ、デッド・ボーイズ、ラモーンズ...彼らから触発されてきた俺たちの音楽がダメだったら、何か大きな間違いを犯しているということだ。俺には年上の兄や姉がいなかったし、ザ・ローリング・ストーンズとホワイトハウスを同時に聴くことが変だなんて、誰も教えてくれなかった。レッド・ツェッペリンの「アキレス最後の戦い Achilles’ Last Stand」(1976)とスロッビング・グリッスルの「ヒーザン・アース」(1980)を同じぐらい好きだったんだ。

●「アキレス最後の戦い」もアルバム1曲目で10分超えのナンバーですね。

そうだな。俺はホメロスの叙事詩『イーリアス』も好きだったから、初めて聴いたときすべてがピッタリとハマったんだ。いわゆるポップ・ソングでないあの曲を『プレゼンス』の1曲目に持ってくることは勇気があったし、パンク以上に反コマーシャルだったと思う。俺にとってはストゥージズの「サーチ&デストロイ」(1973)と同じぐらいの衝撃を受けたよ。世の中には最高の音楽がたくさんある。つまらない音楽を聴いて時間を潰すのはもったいないよ。

●『タランチュラ・ハート』というアルバム・タイトルにはどんな意味が込められているのですか?

自分でも判らない。アルバムが出来上がって、最後に付けたんだ。いつもジャケットを描いてくれる嫁のマッキーのアートワークを見て、もうひとつ候補に挙がったのは“Brutalist”というものだった。飾りのない、生々しいアートの表現手法だよ。それでマッキーに相談したら「“ブルータリスト”(1950年代に盛んだった建築様式)なんて誰も知らないんじゃない?」と言われた。だったら『タランチュラ・ハート』の方にしようということになったんだ。

●建築などもお好きですか?

うん、音楽だけでなく、あらゆるアート表現が好きなんだ。抽象表現主義の絵画も好きだし、自分でも写真を撮っている。2年前に写真集『Rats』を出したんだ。初版300冊がすぐ売り切れたんで、300冊増刷して、ライヴ会場で販売する予定だ。4月にはアリゾナ州トゥーソンで写真展を開くし、いずれ日本でもやれたらいいね。でもいろんなアートがある中で、最も長い歴史があって、俺の心を動かすパワーがあるのが音楽なんだ。歌やドラムスの響きは大昔から人間の生活と密接な関わりがあった。その理由は判らない。本能によるものか、スピリチュアルな要素があるのか...最高の音楽は、どこまでも高い境地に連れていってくれるんだ。ストゥージズやバースデイ・パーティーからは常に、他のアートでは得られないものを感じて、学んで、得ることが出来る。

Melvins & Boris / photo by saylaphotos
Melvins & Boris / photo by saylaphotos

<Borisは長い友人だし、リスペクトするミュージシャン達>

●1999年4月の初来日公演から何度も日本を訪れてきたメルヴィンズですが2011年3月11日、東京公演当日のサウンドチェック中に東日本大震災に遭った事件は今でも日本のファンの記憶に刻み込まれています。

ああ、悲しくて恐ろしい経験だった。東京公演が中止になって、その晩は眠れなくてずっとホテルの部屋でテレビを見ていたよ。翌日、空港に行くのにも6時間かかったんだ。橋を越えるたびにビクッとしていた。空港に着くと、欠航で乗りそびれた人で溢れていた。ようやく飛行機に乗れたと思ったら、すごく揺れてね。今回の来日では地震がないことを祈っているよ。

(注:インタビューの翌朝、4月21日の午前に震度3<都内>の地震があった)

●今回の日本公演ではBorisがスペシャル・ゲストとして出演しました。彼らとは昨年も北米でツアーしましたが、どのような関係ですか?

Borisは長い友人だし、リスペクトするミュージシャン達だよ。彼らと会ったのは俺たちが初めて日本をツアーしたときだった。日本人のバンドがオープニング・アクトを務めてくれるというんで、どんなバンドか興味を持ったんだ。それがBorisだった。とても心地よい人たちで、彼らの音楽も1度聴いて好きになったよ。アルバムごとに異なったことをしていて、どれも好きだけど、ノイジーなスタイルが一番気に入っている。彼らのライヴもわざとらしさがなくて地に足が着いて、それでいてエキサイティングだ。

●1999年4月18日にはピーター・グリーンが赤坂ブリッツで公演を行って、フリートウッド・マック時代の「グリーン・マナリシ」も演奏されました。彼らのライヴが終わって急いで渋谷ON AIR WESTに行くとちょうどメルヴィンズがステージに上がるところで、1曲目に「グリーン・マナリシ」をプレイして、腰が抜けるほどビックリしたのを覚えています。

俺たちと同じ時期にピーター・グリーンが日本に来ていたなんて知らなかったよ!フリートウッド・マックは好きなんだ。1970年代後半の、女性シンガーが加入してからも好きだけど、初期のピーター・グリーンがいる頃のブルース路線も最高だった。亡霊に祟られているような、苦悩するサウンドの虜になったんだ。「グリーン・マナリシ」はまさに彼の苦悩を象徴するような曲だね。「ブラック・マジック・ウーマン」や「ラトルスネイク・シェイク」もピーターがとてつもなく重いものを背負い込んでいることが判る、珠玉のバッド・タイム・ミュージックだ。

●ピーター・グリーンがジョン・メイオールズ・ブルースブレイカーズ時代に弾いたインストゥルメンタル「ザ・スーパーナチュラル」も彼の苦悩が表れていて素晴らしいです。

彼のブルースブレイカーズ時代の音はまだ聴いていないんだ。ぜひ聴いてみるよ!ジョン・メイオールはローレル・キャニオンの俺の家から1/4マイルぐらい離れた近所に住んでいるんだ。会ったことはないけど、地元の有名人だよ。

●ちなみにエンジニアのトシ・カサイさんはプロレス・ファンでもありますが、あなたはお好きでしょうか?

いや、特に好きではないな。でも、この業界にプロレス・ファンが多いことは事実だね。TOOLのアダム・ジョーンズも好きで、数回一緒に見に行って、バックステージに連れていかれたことがある。プロレスラー達がみんな「よお、アダム!」とか言っていて、彼の顔の広さに驚いたよ。何という名前のプロレスラーかも知らないけど、すごい筋肉でデカかった。

●メルヴィンズのアート・ブック『Neither Here Nor There』が2003年に刊行されて、20年が経ちますが、続編などは期待出来ないでしょうか?レーベルを超えたコンピレーションCDが付いていたり、まさにファン垂涎の必携書でした。

うーん、どうだろうな。『Neither Here Nor There』は気に入っているけど、今は別のことをやっているし、グラフィック・デザインを手がけたマッキーも忙しくて、今のところやる予定はないよ。今考えているのは、全4号の“メルヴィンズ・マガジン”を出すことなんだ。俺や身内の関係者が答えているインタビューが幾つもあるし、面白いものに出来ると思う。CDを付けても良いし、楽しめるものになるよ。まだ具体的には動いていないけどね。

●ニュー・アルバムを制作する予定はありますか?

うん、日本ツアーが終わると8月のトレヴァーとのツアーまで時間が出来るから、メルヴィンズとして2枚のアルバムを作るんだ。1枚はデイルとコーディのツイン・ドラムスによる作品、もう1枚はマイク・ディラードを加えた“メルヴィンズ1983”としての作品だよ。幾つもアイディアがあるし、早くそれを形にしたいんだ。

Melvins / photo by saylaphotos
Melvins / photo by saylaphotos

Photo credit: saylaphotos
X(Twitter): @goatmilkcowmilk
Instagram: @saylasugardrop

【新作アルバム】
メルヴィンズ
『TARANTULA HEART(タランチュラ・ハート)』
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
2024年4月19日発売予定

【ジャパン・オフィシャル・サイト】
https://bignothing.net/melvins.html

【過去記事】
ロックの“オルタナティヴ=別選択肢”が連続して来日。ミスター・バングル、メルヴィンズ、QOTSA
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/358c956d200f5489660a7aa378fab7d5b4b4074b

メルヴィンズ/バズ・オズボーンが語る新作『ワーキング・ウィズ・ゴッド』永遠の小学生スピリット
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/bdb6e5d80ff1575ffd1e153e6c0a05179b6b4741

2019年11月、メルヴィンズが来日。波乱に満ちた日本公演の軌跡
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c7c207665eafbe9a8bae6ddae1fdd6b1e09b5616

東日本大震災を超えて、メルヴィンズが全米50州+ワシントンDCを回るツアーDVDを発表
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/dea472bec1d94525e98fc0898e65709a9dfa1bf5

Mikiki 2015年来日時の記事
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/8916

yamazaki666.com 2010年のインタビュー
http://yamazaki666.com/interviewbuzzo.html

音楽ライター

1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,200以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検1級、TOEIC945点取得。

山崎智之の最近の記事