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筒香嘉智はロースターに残る。左投手2人が加わり、代わりに外れたのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレット・フィリップス(タンパベイ・レイズ)Sep 4, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ディビジョン・シリーズを制したタンパベイ・レイズは、2人の選手を入れ替え、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに臨んでいる。左投手のホゼ・アルバラードジョシュ・フレミングをアクティブ・ロースターに加え、右投手のトレバー・リチャーズと外野手のブレット・フィリップスを外した。

 ポストシーズンのアクティブ・ロースター(今年は28人)は、シリーズごとにセットできる。故障者が出た場合は、シリーズ中でも交代可能だが、そこでロースターから外れた選手は、次のシリーズまで復帰できない。リチャーズは同じ右投手のオリバー・ドレイクに代わり、ディビジョン・シリーズの途中でロースターに入り、登板はしなかった。ドレイクは右手の屈筋腱を痛め、レイズがワールドシリーズへ進んでも投げられそうにない。

 投手を増やし、投手13人と野手15人からそれぞれ14人としたのは、シリーズの長さが理由だ。5試合制(3戦先勝)のディビジョン・シリーズに対し、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズは7試合制(4戦先勝)。さらに、今年のシリーズは移動日がない。7日続けて試合を行う可能性もある。

 ディビジョン・シリーズの出場と成績からすれば、ロースターから外される野手は、筒香嘉智ハンター・レンフローでもおかしくなかった気がする。フィリップスは出場3試合で2打数0安打、筒香は2試合で6打数0安打、レンフローは1試合で1打数0安打だった。

 3人ともポジションは外野だが、筒香は三塁も守る。ただ、三塁の守備に関しては、ジョーイ・ウェンデルヤンディ・ディアズマイク・ブロッソーがいる。一方、フィリップスと筒香は左打者、レンフローは右打者だ。

 フィリップスはスピードこそあるものの、パワーは持ち合わせない。ケビン・キャッシュ監督は、代走と外野の守備要員よりも、代打要員を残すという判断を下したのだろう。

 もっとも、これまでと同じく、筒香の出番は限られそうだ。リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦のように、相手の先発投手が左で、ジマン・チョイがスターティング・ラインナップから外れると、筒香は左の代打の2番手となる。第1戦は2人とも出場することなく、レイズが2対1で勝利を収めた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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