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今春の5本塁打は復活の狼煙となりそうだったが…。2018年の新人王投票2位が右膝の手術で出遅れる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ミゲル・アンドゥーハー(オークランド・アスレティックス)Mar 6, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2018年の新人王は、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)と大谷翔平(当時ロサンゼルス・エンジェルス/現ロサンゼルス・ドジャース)が受賞した。それぞれの2位は、ナ・リーグがホアン・ソト(当時ワシントン・ナショナルズ/現ニューヨーク・ヤンキース)、ア・リーグはミゲル・アンドゥーハー(当時ヤンキース/現オークランド・アスレティックス)だった。

 この4人のうち、3人は、スーパースターとなっている。違うのは、アンドゥーハーだけだ。2019年の出場は12試合。5月に右肩の手術を受け、シーズンを終えた。その後も、メジャーリーグで出場50試合以上のシーズンは、一度もない。成績も振るわず、2018年の149試合で打率.297と出塁率.328、27本塁打、OPS.855に対し、2019~23年は計144試合で打率.234と出塁率.265、12本塁打、OPS.616に終わっている。

 ちなみに、アクーニャJr、大谷、ソトは、いずれも、2018年に出塁率.360以上とOPS.915以上を記録したが、ホームランは、4人のなかでアンドゥーハーが最も多かった。アクーニャJr.が26本、大谷とソトは22本だ。

 今春、アンドゥーハーは、14試合で5本のホームランを打ち、打率.357と出塁率.372、OPS1.110を記録していた。このままいけば、開幕ロースターに入っていたはずだ。そこから、外野の一角、レフトかライトを定位置とすることもあり得た。2018年は三塁手としてプレーしていたが、近年は外野をメインとしている。

 MLB.comのマーティン・ガイエゴスによると、アンドゥーハーは、数日後に右膝の半月板の手術を受け、復帰まで、少なくとも4週間から6週間を要するという。

 それでも、見込みよりも離脱が長引かなければ、出場試合は三桁に達してもおかしくない。アスレティックスの外野は、不動のトリオではない。さらに、今春の好調が本物なら、カムバック賞に選ばれる可能性もある。

 アンドゥーハーは、今月初旬に29歳の誕生日を迎えたばかりだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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