台風3号は、梅雨前線を刺激しつつ、関東へ近づく計算も
比較的、進路は揃っている状態
昨夜6日(火)午後9時、フィリピンの東海上で台風3号が発生しました。
現在、フィリピンの東海上は、先日の猛烈な台風2号が通過した影響で、海水がかき混ぜられたため、海水温は平年より1度から2度くらい低い状態となっていますが、それでも台風が発達するには十分な28度前後あるため、今後も勢力を強めながら北上する見込みです。
最新の予報円では、あさって9日(金)には強い勢力となり、その後週末から週明けにかけて、強い勢力を維持しながら北上し、12日(月)午前9時には、日本の南海上で、中心気圧950hPa、最大風速40メートル、最大瞬間風速60メートルの予想となっています。
この12日(月)午前9時の予報円の直径は約740キロと、5日後の予報円としては比較的小さくなっており、週明けに日本の南海上に到達するまでは諸外国の計算を含め、おおむね揃っている状態です。
その後の進路に関しては、どれくらいスピードアップし、どれくらい陸地に近づくかなどはやや不確実性が高くなっていますが、13日(火)頃に関東地方の南海上を通過していく計算が多くなってきたことは間違いありません。
関東などへの最接近は13日(火)頃か
上図は来週13日(火)午前9時のアンサンブル予報の結果を表したもので、左側が日本のモデル、右側がECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の計算結果となります。小さな赤い丸がおおむね台風3号の中心位置を表し、青色の領域は台風3号や梅雨前線に伴う降水域で、青色が濃いほど降水確率が高いことを表します。
これによると、日本のモデルでは、台風3号が陸地にかなり近い所を通過し、なかには上陸するような計算もあり、台風と梅雨前線が一体化するように大雨をもたらす危険なパターンが多く見られます。その一方で、ECMWFは台風3号がやや南寄りを通過するため、活発な梅雨前線の降水域も主に伊豆諸島が中心の計算が多くなっています。
このように、台風3号がどれくらい陸地に近づき、どれくらい梅雨前線を刺激し、大雨をもたらすかなどはまだかなりブレがある状態と言えます。
梅雨前線と一体化する危険な計算も
上図はあくまでも参考ですが、台風3号が比較的関東地方に近づくと計算されている日本のGSMモデルです。13日(火)夜にかけて、台風3号が関東地方の沿岸に近づき、梅雨前線と一体化しつつ、東海や関東を中心に大雨をもたらす予想となっています。
まだブレはあるものの、最悪はこのような危険な状態となるおそれがありますので、今後も台風と梅雨前線の情報に十分、ご注意ください。
あす8日(木)からあさって9日(金)も大雨に警戒
台風3号が北上する前のあす8日(木)からあさって9日(金)にかけても、梅雨前線の影響により太平洋側で激しい雨が降り、九州を中心に大雨警報が発表されるような大雨となるおそれがあります。
あす8日(木)正午からあさって9日(金)正午までの24時間に予想される雨量は、多い所で、九州南部200ミリから300ミリ、九州北部、四国、近畿、東海、関東甲信100ミリから200ミリとなっています。
西日本から東日本では、先日の記録的な大雨の影響で、少ない雨量でも土砂災害の危険度が高まりやすい地域がありますので、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水などに、十分な注意が必要です。