【掃除の裏技】放置しがちな便器の「ふち裏」や隙間の汚れ、レジ袋と靴下で解決
ひとが家という生活の場で、生きて活動しているかぎり誰しも全く行わないでは済ませられない作業を家事といいますが、概ねその種類は頭文字を「さしすせそ」に当てはめて数えることができます。
さ…裁縫(衣類の準備、購入、補修)
し…しつけ(子どもの教育含む)
す…炊事(食事の準備全般)
せ…洗濯(衣類その他布ものの衛生状態を保つ作業)
そ…掃除(家の各所の汚れを除去し衛生、安全状態を保つ作業)
いずれもひとが安全かつ快適に生きていく上で不可欠な営みです。
ただ、この中で「掃除」というのは、他の家事に比べ比較的、急を要さない作業といえます。ようは今日やらなかったからといって、ただちに身に危険が迫ったり、他人の迷惑になることが少なかったりするため、ついつい後回しにしてしまいがち。
あるいは、普段目につくところは頻繁に掃除していても、目に付きにくい、やり方がわからないなどの理由で放置してしまっている箇所があったりしがちなのではないでしょうか。
そのように手をつけないまま長い時間が経過してしまったような箇所については、急がないないだけに「このままではいけない!」という気持ちが高まって手を動かしたくなったときこそが掃除の適時といえるでしょう。
でも、せっかくやる気が出たものの道具がないという理由で気持ちが萎えてしまったりしたなら、それはたいへんもったいないことです。
今回ご紹介するのは、そのような普段後回しにしがちな手をつけにくい場所、けれども確実に汚れは溜まっている場所にも今すぐ取りかかれる掃除方法。おそらくはどんな方でも持っている「身近なモノ」の再利用術、かつ効果的なその使い方についてお話しします。
こんなところ掃除していますか?
・トイレの便器、いわゆる「ふち裏」
・洗濯機と洗濯パン(洗濯機置き場)の隙間
・キッチン排水口、排水トラップ(封水)周り
・ベランダ排水溝、排水口周り
どれも何か特殊な掃除道具、例えば先折れブラシや、先の細い何か…がないと掃除できないと思われている節のある箇所なのですが、実はどんな方でも持っている2つのモノがあれば掃除できます。
それは「使用済みレジ袋」と「古靴下」。
ただ「レジ袋はもう家にない、エコバッグしかない!」「靴下は一切履かない!」という方も今はいるかも知れません。その場合はごめんなさい。何か似たような他のモノで代用してください。
具体的な掃除方法
「使用済みレジ袋」と「古靴下」 掃除での使い方は簡単。まず利き手にレジ袋をかぶせ、その上から穴が開くなどした古い靴下を履かせます。この靴下面で上記のような場所の掃除を行います。
たとえば、
・トイレの便器、いわゆる「ふち裏」の場合
利き手にセットした靴下つま先部分にトイレ用中性洗剤をスプレーするなどし、指先をふち裏に差し込み、コシコシこすりましょう。黄色い尿石がよく取れるのがわかるでしょう。このふち裏の尿石は、トイレらしい、嫌な臭いの元になる汚れです。ただ、普通のトイレブラシなどではなかなか落としにくいものです。
ふち裏を一周コシコシできたら、レジ袋を裾からくるっと裏返しながら手から取り外します。こうすることで手を汚すことなく掃除を終えることができるのです。
※つまりは穴の空いた靴下は問題ありませんが、レジ袋には穴がないことが使用要件となります。
・洗濯機と洗濯パン(洗濯機置き場)の隙間の場合
洗濯物を出し入れするだけでもホコリがたくさん落ちる洗濯機周辺。場所柄湿り気を帯びがちで、べたつきやすいこのホコリがたまりやすい洗濯パンの上、洗濯機の排水ホースなどは、この靴下かぶせレジ袋をセットした手で拭い、ホコリをかき集め、握ったら裏返して捨てるようにしましょう。
一度で取りきれない場合は二度目を。新しくセットした靴下でおこないます。洗剤なども含んでしまって固まった汚れがこびりついている場合には、住居用中性洗剤スプレーか、薄めた食器用中性洗剤を靴下に浸して、濡らしたものでこすり落とします。
・キッチン排水口、排水トラップ(封水)周りの場合
ドロドロしたヘドロやヌメリ汚れが付きやすいキッチン排水口、排水トラップ(封水)部分。靴下かぶせレジ袋の靴下に、食器用中性洗剤の原液を多めに垂らし、少量の水で泡立てたら、排水口に手を差し込み、ゴシゴシと汚れをこすり落としていきます。
このとき利き手以外の手の方にも、靴下かぶせレジ袋をかぶせておくと両手で作業ができて便利。ただレジ袋を外すときには、手や服を汚さないよう注意深くして外すようにしましょう。
・ベランダ排水溝、排水口周りの場合
ドロ砂、洗濯物から出る糸くず、観葉植物の枯葉、髪の毛、コケなどが溜まりやすいベランダ排水溝、排水口周りの掃除にはこのセットを幾つか作る準備をして取り組みます。まずは乾いた状態で掻き取れる限りの汚れ、ゴミを取り去り、乾いてこびりついた汚れについては水道水で薄めた食器用中性洗剤を少量ずつ垂らしながら緩め、手先でこすり落としていきます。
またエアコン室外機の本体を拭いたり、ドレーンを拭いたりするのにも便利です。
「靴下かぶせレジ袋」使用上の注意点
靴下かぶせレジ袋は、ご紹介したこれら以外の箇所でも、手が伸ばせる限り、応用が可能です。
ただし、レジ袋の素材や強度の関係で、「100%手にしみない」という安全は保障できません。くれぐれも強アルカリ性や強酸性の洗剤は併用しないようにしてください。消毒用エタノールもしみる可能性があります。
手の安全を期したい方は素手の上にゴム手袋をはめ、その上からレジ袋をかぶせるようにしてください。
靴下以外の衣類も掃除に使える
古靴下のなかまとして、「伝線(ほつれ)したストッキング」「穴が開くか、毛玉のひどくなったタイツ」なども掃除利用できます。これらは先端を切り取って靴下代わりに手にはめることもできますし、長い部分を使って浴室などの水道蛇口まわりの汚れをナイロンタオルで背中を洗うような感覚でこすり拭きしたりするのもいいでしょう。
この再利用術は、靴下のみならず、盗難のおそれがあるなど廃棄する際、気づかいの要る下着類の最終処分的活用法としても応用できます。
たとえば水分をうまく吸い取れないケミカルレースの類はマイルドな「タワシ」として非常に役立ちます。下着等のレース部分が外側に来るように丸め、換気扇レンジフードの油だまり、浴室やキッチン排水溝のヌメリやヘドロ、ベランダ排水溝のドロやコケ、ヘドロなどの張り付いた汚れをレースの凹凸で掻き取り、そのまま濯ぐことなくビニール袋などに入れて廃棄するのです。
「ここまで汚いと盗む気にもなれないだろう」というところまで思い切った掃除をする契機になります。
シミや臭いが気になるTシャツや肌着、木綿の子ども用下着や男性下着等は、レンジフード、冷蔵庫上部などの油煙ホコリ、玄関三和土のドロ砂やベランダ床面の拭き掃除などに適しています。「汗を吸い取りやすい」系の衣類はオーソドックスにぞうきん利用をして捨てるのがおすすめです。
【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】