参院選、1票570万円もの価値を捨てないために 日本が見習うべき組織とスウェーデン起業家の言葉とは?
7月に入ってから、オランダ、デンマーク、スウェーデンの食品ロス削減事例を取材して廻っている。詳しい内容については帰国してから記事を通してお伝えする予定だ。が、帰国する前の7月21日に第25回参議院議員通常選挙が行われるので、その前にお伝えしたいと思った起業家の言葉を紹介したい。
スウェーデンの起業家「魂を失わない限り、成長していく」
スウェーデンで10年前に起業した、起業家たちを取材した。彼らは、熟し過ぎてスーパーでは販売できなくなったバナナ(食品ロス)を引き取り、製品として活かしている。
これまでの10年、少しずつ成長してきた、と語る。
これからの抱負を尋ねると、
と語った。
起業家には、明確なビジョン(Vision)があった。
人にも物にも愛情を込めているスウェーデンの人々
スウェーデンでは、この起業家を含めて、6つの組織とそこで働く人々を取材してきた。
そこから感じるのは、小さなことにも、人に対しても、物に対しても、愛情を注ぐ姿だ。
ゴットランド島のVisby(ヴィスビー)は、世界遺産に指定されている。
ここのホテルは、清掃を水や酢を使って行うなど、持続可能な取り組みを続けている。
朝食は、細やかな心が込められている。たとえば、ゆで卵ひとつとっても、固ゆでと、半熟と、2種類を揃えている。世界各国のホテルでも、こんなにも愛情を感じられる食事は珍しい。
そこに魂を感じるか?
「魂」という言葉は、日本で使うと、少し、宗教がかった印象を持たれるかもしれない。
言い方を変えれば、「心の底から湧き出てくるもの」と言ってもいいかもしれない。
その人の言葉は、心の底から湧き出てくるものを感じるだろうか。
その組織の取り組みは、見せかけだけだろうか、それとも、本気だろうか。
パフォーマンスか、パタゴニアか
アウトドア用品を扱う企業、パタゴニアは、7月21日の参議院選挙投票日、全直営店を閉店することを発表した。
パタゴニアは、2013年、食品会社であるパタゴニア プロビジョンズを立ち上げた。
パタゴニアが、食料問題の解決にも取り組もうとしている意気込みが感じられる。
筆者が時折行くのは、パタゴニアの東京・丸の内の店舗だ。親身に快く対応してくださる女性店員の方がいらっしゃり、気に入っている。
パタゴニアは、製品である衣類の着心地もいいし、資源を生かしたリサイクルの生地を使っているところにも共感する。今回の取材出張には、パタゴニアの半袖シャツ、長袖シャツ、トレーナー、ジャケットと、複数の衣類を持ってきた。
パタゴニアは、本気だ。
社員の方のインタビュー記事をいくつか拝見した。
売上だけを重視しているわけではない。自分たちの考え方を世に示し、社会をよい方向に変えていく責任を認識し、実践している。
パタゴニアの行動は、パフォーマンスではない。
パタゴニアには、「こういう社会を目指す」という明確なビジョン(Vision)がある。
日本の企業が見習うべきは、パタゴニアのような組織だと思う。
魂どころか命を失わせてまで売上を追求する日本の一部の企業
一方、魂どころか、命を失わせてまで売上に固執し追求する、日本の、一部の企業もある。
魂と命は、働く人にとって、最も大切なものだ。
それを失ってまでいい仕事など、ない。
どの候補者が、どの組織が本気か、見極めること
わたしたちにできることは、自分の魂(心の底からの思い)や命を敬い、大切にすること。
選挙では、どの候補者が魂をかけて本気なのか、見極めること。
冒頭に挙げたスウェーデン起業家やパタゴニアのように、心の底から湧き出るものに従って生きているか、明確なビジョン(Vision)を持っているかどうかを見極めること。
「食品ロス」などの社会的課題の解決であれば、どの組織がパフォーマンスで動いていて、どの組織が心の底から本気で解決のために動いているか、判断すること。
魂と命を大切にしているかどうかを見極めて、その組織やその人を応援すること。
買いものは投票だし、投票は、その人の生き方を示すものだ。
魂からの言葉には、心が動かされる。
毎日新聞の記事1票の価値はベンツ1台分? あなたの1票をお金に換算によれば、試算方法によって差はあるが、最も高い値段としては、1票570万円もの価値があるという。捨ててはならない。