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前IBFスーパーミドル級王者がKO勝ち

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 前IBFスーパーミドル級チャンピオンのケイラブ・プラント(30)と、WBC同級王座に2度就いた経験を持つアンソニー・ディレル(37)の一戦は、9ラウンド2分57秒で、プラントがKO勝ちを飾った。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
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 昨年11月6日にカネロとの統一戦に敗れて以来のファイトとなったプラントは、序盤から飛び込みながらの左フックを勢いよく振るう。手数でディレルを上回った。

 が、「168パウンドで、まだ自分はトップ選手だぞ!」とアピールしたい気持ちが先走り、バランスが悪い。

 

 そんな状態で迎えた第9ラウンド、浅くワンツーを喰らった後に連打するディレルの動きを冷静に観察し、左フック1発で元WBC王者をキャンバスに這わせて試合を終えた。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
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 自らの戦績を22勝(13KO)1敗としたプラントは語った。

 「快心の勝利だ。野郎が俺を嫌ってガタガタぬかしていることは、耳に入っていた。でも、こっちと頭脳と精神は勝つことに集中できていたぜ。精神をコントロールしなければ勝てないさ。トレーナーから『チャンスまで我慢だ』っていう指示を出されていたんだよ。で、一発で仕留めた」

Stephanie Trapp/TGB Promotions
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 WBCスーパーミドル級タイトル挑戦者決定戦として行われたこの試合だが、すんなりとカネロとの再戦が決まるだろうか? KOした後、シャベルで穴を掘り(遺体を埋葬して)土をかけるパフォーマンスを披露してレフェリーに咎められたプラントだが、カネロとのリターンマッチが決まっても、前回と同じ結果になりそうだ。

 プラント本人は、「家族との時間を過ごした後、次のビッグマッチに向けて準備していく」と豪語したが、カネロとの差はまだ大きい。彼はどんな道を歩むのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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