【平昌オリンピック】NHL選手抜きで3連覇を狙うカナダは、3Aの選手だけでWBCに挑むようなもの!?
「ピョンチャン(平昌)オリンピック」の開幕まで、間もなく200日になります。
開催地に関わらず、冬季オリンピックで必ず最後の金メダルを争う種目と言えば、「男子アイスホッケー」!
欧米各国を中心に熱狂的なファンも数多く、「冬のオリンピックのメインイベント」と呼ぶべき競技だと言えるでしょう。
▼NHL選手は出場できず
しかしながら「ピョンチャン オリンピック」では、メインイベントの魅力も、いささかダウン気味。
なぜなら、1998年の「長野オリンピック」から、レギュラーシーズンを中断し、現役スター選手が祖国の代表でプレーするために設けていた「オリンピック ブレイク」が廃止されたため、現行の労使協定では、今季の契約を結んでいるNHL選手は(解雇などをされない限り)オリンピックに出場できないからです。
▼カナダの原動力はNHLのスター選手
このような事態となって注目されるのは、ホッケーカナダ(カナダアイスホッケー協会)の対応です。
1952年のオスロ大会以来、オリンピックの金メダルから遠ざかっていましたが、前述のオリンピックブレイクが設けられ、現役NHL選手の出場が可能になってからの5大会で、3度(2002年ソルトレイク、2010年バンクーバー、2014年ソチ)も優勝!
金メダル獲得の原動力となったは、いずれもNHLで活躍していたスター選手でした。
▼新たなカナダ代表の顔ぶれは?
それだけに、これまでチームの核を担っていたNHLのスター選手たちに代わる新たなカナダ代表の顔ぶれが、各国のメディアで論じられていましたが、有力視されているのは、ヨーロッパのチームに在籍しているカナダ人選手たち。
なぜなら、ヨーロッパ最大のリーグである KHL (コンチネンタル ホッケーリーグ)だけを見ても、
と言った実績を誇り、チームの ”顔” になっているカナダ人選手が数多く在籍。
他国も含め、ヨーロッパのリーグでは、オリンピックブレイクが設けられることから、助っ人として活躍している選手たちを、カナダ代表に招くための障壁はありません。
▼ホッケーカナダは視線をヨーロッパに向けず
しかし、ホッケーカナダは、ヨーロッパ各国の強豪チームで活躍している選手たちだけで、ピョンチャン オリンピックを戦う青写真は描いていない模様。
それを裏付けるかのように、ホッケーカナダの トム・レニー CEO(最高経営責任者=元エドモントン オイラーズ ヘッドコーチ・HC)は、「AHL(NHLの一つ下のリーグに相当)の選手を中心にメンバーを構成する」との方針を打ち出したと、カナダのメディアが報じました。
▼AHLは大歓迎
この発表を受けたAHLは、大歓迎の模様です。
とは言っても、例年は8月下旬に発表しているレギュラーシーズンの日程を、今季は既に発表済み。
もちろんNHLのように「オリンピックブレイク」は、設けられていません。
しかし、AHLのデビッド・アンドリュース CEOは、広報担当者を通じて、ピョンチャン オリンピックへの出場を全面的にサポートする意向を表明。オリンピック開幕4日前の2月5日(現地時間)から、閉幕翌日の26日までの間、選手たちの派遣を認めると発表。
これによって、カナダに限らずアメリカも含め、AHLで活躍する主力選手が、ピョンチャンオリンピックでプレーする姿が見られそう。
一方、AHLの各チームも、レギュラーシーズンが終盤に差し掛かる大事な時期に、看板選手を引き抜かれてしまいますが、自チームの選手が「オリンピック代表」になれば、グッズ販売にも絶大な効果があるのは確実だけに、大歓迎なのは間違いありません。
▼3Aの選手で3連覇が使命
ホッケーカナダは、今月末までに、ピョンチャン オリンピックのコーチ陣を発表する予定。
先月25日に配信した当サイトの記事で紹介したとおり、日本リーグのチームにプレーヤーとして、またコーチとしても在籍した経歴を持つウィーリー(ウィルバート)・デジャーデン氏が、カナダ男子オリンピック代表のHCに就任することが確実視されています。
NHLのチームや、ジュニア(U20)世界選手権カナダ代表で HC を務めるなど、コーチとしての手腕には定評があるデジャーデン氏。
しかし、4月まで率いてきたバンクーバー カナックスも、チームが過渡期を迎え、厳しい戦いを強いられましたが、同様にピョンチャン オリンピックでも、(正式に就任が決まれば)バンクーバー、ソチと違って、厳しい戦いを強いられそうな気配に・・・。
野球にたとえれば「3A(メジャーリーグの一つ下のリーグに相当)の選手だけで、WBCに挑む」ようなものだけに、またまた大変な役割を担うデジャーデン HC の手腕に、ホッケー大国・カナダのファンの期待が集まります。