【速報】イプシロンS試験中に爆発、第2段モータの地上燃焼試験中、2023年にも類似の爆発が発生
11月26日朝、イプシロンSの地上燃焼試験が種子島宇宙センターで実施され、爆発が発生しました。本記事ではその詳細をはじめ、2023年にも起きた同様の爆発事故についても解説していきます。
■イプシロンSと試験の詳細
イプシロンSは3段式の固体燃料を搭載した国産基幹ロケットで、初代であるイプシロンの進化系です。H3と固体ロケットを共通化するなど、様々なシナジー効果により国際競争力を強化することを目的としています。
11月26日(火)朝8:30、イプシロンSの第2段モータの地上燃焼試験が種子島宇宙センターで実施されました。約2分の間モータが燃焼を続ける想定でしたが、燃焼開始から約50秒後ほどに爆発が発生しました。爆発の際には火花が飛び散る様子も撮影されていました。
種子島宇宙センターでは消火活動が行われ、現在被害状況と原因を究明しているとのことです。
■2023年に発生したイプシロンS2段目モータ爆発事故
今回と同様のイプシロンSで使用される2段目モータの燃焼試験が、2023年7月に秋田県の能代ロケット実験場にて実施されていました。
今回の試験ではロケットを実際に打ち上げる訳ではなく、固体モーターを横倒しで地上に固定した状態で、様々な性能評価を行います。その目的は、モーターの燃焼特性の取得やノズルの構造特性の評価などです。燃焼時間は約120秒で、約170個のセンサーを貼り付け推力や温度などを測定します。
そして試験本番、燃焼開始から約1分後に爆発が発生してしまいます。爆発により試験建屋で火災が発生しましたが、約1時間半後には消し止められたとのことです。幸いにも今回けが人は発生しませんでした。その後の調査により、先日JAXAから原因が発表されました。ロケットを点火するための装置が燃焼の熱で溶けてしまい、それが飛び散ったことでロケット内を破損させたためと考えられています。
溶けてしまった部品に断熱対策を施し、今回もう一度燃焼試験に臨みましたが、新たな原因究明が待たれる状況となっています。
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