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多用な性、LGBTQ(性的マイノリティ)を理解しよう。性は、3つ4つある。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


私のカウンセリングルームには、ご自分のセクシャルティで悩んでらっしゃる人がご来室されることがあります。で今日は、皆さんにも、性のことを、今よりもう少し深く、理解していただきたいので、LGBTQのお話をしたいと思います。

LGBTQとは、
女性同性愛者(レズビアン)
男性同性愛者(ゲイ)
両性愛者(バイセクシャル)
心と体の性別が異なっている人(トランスジェンダー)
性自認や性的指向が定まっていない人(クエスチョニング)
                 の各単語の頭文字を組み合わせた言葉です。

性自認とは、自分のことを、男性と認識しているのか? 女性と認識しているのか? ということです。性的指向とは、男性が恋愛対象になるのか? 女性が恋愛対象になるのか? ということです。

ちなみに、レズビアンのことをレズと言ったり、ゲイのことをホモと言ってはいけません。オカマという言葉もダメです。何故なら、それは差別用語、蔑視用語になりかねないからです。

話を戻します。
日本人の、「1.6%から8.9%」つまり、100人に1人から13人に1人は、LGBTQと言われています。このあたり、数値に随分ばらつきがありますが、この数値を聞いて、皆さんはどう思いますか? 多いと思いますか? それとも、少ないと思いますか? 私は意外に多いんだなあという印象を持っています。

さて、LGBTQを正しく理解するためには、性には3つ4つあるということを知らねばなりません。細かく話すと3つ4つどころではないのですが、ごめんなさい、取り合えず今日は3つでご説明いたします。

3つとは、身体の性、心の性、恋愛対象の性のことです。
4つとは、身体の性、心の性、恋愛対象の性、そして表現の性です。
今日は、かなりややこしくなりそうなので、表現の性の話はいたしません。

たとえば、
私(竹内成彦)は、身体が男で、心が男で、恋愛対象は女性ということになります。
私のカミさんは、身体が女で、心が女で、恋愛対象は男性ということになります。

私とカミさんのような人は、ストレート、ノーマル、のんけと呼ばれ、マジョリティ(多数派)ということになります。

ゲイとは、身体が男で、恋愛対象が男性の人のことです。
レズビアンとは、身体が女で、恋愛対象が女性の人のことです。
バイセクシュアルとは、身体が男性もしくは女性で、恋愛対象が男性と女性、両方の人のことです。
トランスジェンダーとは、身体が男なのに、心が女性、もしくは、身体が女なのに、心が男性のことです。

トランスジェンダーの方は、男性なら、心が女性なので、女性の身体になりたがったり、女性の格好をしたがったりすることが多いです。女性なら、その逆、心が男性なので、男性の身体になりたがったり、男性の格好をしたがったりすることが多いです。

続いて、性には3つあるので、さまざまなパターンがあります。

たとえば、身体が男で、心が女で、恋愛対象が女性という人もいれば、
     身体が男で、心が女で、恋愛対象が男性という人もいれば、
     身体が男で、心も男で、恋愛対象が男性という人もいます。

身体が男で、心が女で、恋愛対象が女性という人は、ゲイではないけれど、トランスジェンダーではあるということです。
身体が男で、心が女で、恋愛対象が男性という人は、ゲイであり、トランスジェンダーでもあるということです。
身体が男で、心が男で、恋愛対象が男性という人は、ゲイであるけれど、トランスジェンダーではないということです。

1番目の人は、対象が異性なので、日本の法律上、結婚することが出来ます。
2場目、3番目の人は、対象が同性なので、日本の法律上、今は結婚することが出来ません。
そう、日本の法律は、身体の性を重視しているのです。

このあたり、うーん、複雑。微妙です。

私の仲のいい友人で、ゲイがいるのですが、彼は、男性が8:2で好きだったのですが、女性も2あったので、女性と、お見合いの末、結婚しました。そして見事、子どもを授かりました。

その私の友人は、私から見ても、男らしい男であり、そして恋愛対象が男だったわけですが、少しだけバイセクシャルの要素も持っていたので、奥さんと何とかセックスすることが出来、子どもを設けたというわけです。こういうケースもあります。

ここからは私の個人的な意見なのですが、
身体に関しては、多くの人は、ほとんど、男か女か、どっちかだと思います。
でも、心に関しては、「自分は、100%男である」と言い切れる人は、どのくらいいるのかなあ…と思ってしまいます。そして恋愛対象も、「100%異性である」と言い切れる人は、これまたどのくらいいるのかなあ…と思ってしまいます。少なくとも私は、心が100%男じゃないし、恋愛対象も100%女性、とは言い切れないなあ…思う次第です。

皆さんはいかがですか?
皆さんの心は、100% 男性ですか? 100% 女性ですか?
そして、恋愛対象は、100% 異性ですか?


今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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