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JR北海道、石北本線利用で宿泊費「最大4000円」助成の遠軽町 実際に鉄道に乗り申請に行ってみた

鉄道乗蔵鉄道ライター
JR石北本線遠軽駅(筆者撮影)

 JR北海道の石北本線沿線の遠軽町では、町外から鉄道で来町し、町内のホテル・旅館に宿泊した方を対象として、宿泊費を最大4,000円助成するという取り組みを行っていることは、筆者の過去記事(石北本線利用で宿泊費が「最大4,000円」助成! 北海道遠軽町の「鉄道利用促進」への取り組み)でも詳しく紹介していた。

 筆者は、さっそくこの制度を活用して遠軽町に1泊しに行ってきた。助成金額については、鉄道の片道利用で2,000円、往復利用で4,000円を助成するが、鉄道運賃がこの金額に満たない場合は助成対象外となる。今回、筆者は札幌市内発の遠軽までの指定席往復割引きっぷ(Rきっぷ)を使用した。きっぷの金額は9,270円となったことから、支給額は4,000円となる。

宿泊施設で証明をもらった申請書(筆者撮影)
宿泊施設で証明をもらった申請書(筆者撮影)

特急ライラック〜大雪で遠軽駅へ

 往路となった2024年10月20日は、札幌ー桑園間での信号トラブルにより北海道内のダイヤが大幅に乱れた日となってしまったが、筆者はこの日、札幌駅を11時に発車する特急ライラック13号に乗車した。旭川駅には13分遅れで到着し、特急大雪1号に乗り換えた。特急大雪1号もライラック号の遅れを受けて5分遅れで旭川駅を発車したが、その後の回復運転が功を奏したのか、遠軽駅には定刻の14時45分に到着できた。

 筆者が宿泊の予約をしていた駅前のビジネスホテルは15時からチェックインが可能だったので、まずはホテルに向かいチェックイン手続きを済ませることにした。助成金の申請を行うためには宿泊施設の押印が必要なことから、あらかじめ遠軽町役場のホームページから申請用紙をダウンロードしてプリントアウトしたものを持参しており、ホテルのフロントで宿泊費助成のことを伝えると、そのまま証明欄に押印してもらうことができた。

申請にはきっぷのコピーと免許証等のコピーも必要(筆者撮影)
申請にはきっぷのコピーと免許証等のコピーも必要(筆者撮影)

建て替え工事が進んでいた遠軽町役場

 そして、翌日、筆者は直接、遠軽町役場に申請書を提出しに向かうことにした。助成金の申請用紙の提出については郵送でも提出可能であるが、チェックアウトの日が月曜日だったので、町役場の見学も兼ねて直接提出することにした。なお、申請書の日付欄については、申請書の注意欄に「鉄道利用完了後、30日以内に申請してください」とあったので、あえて空欄のままにしておいた。

 遠軽町役場は、遠軽駅から徒歩10分ほどの場所に位置している。ちょうど今は町役場庁舎の建て替え工事を行っている最中で、役場庁舎の入り口へは狭い通路を通って向かうことになった。中に入るとちょうど入り口付近のデスクで執務をしていた職員がいたので、助成金の申請書を提出したい旨を伝えると、担当部署は庁舎2階の真ん中付近にある企画課であると教えてくれた。

建て替え工事中の遠軽町役場庁舎(筆者撮影)
建て替え工事中の遠軽町役場庁舎(筆者撮影)

YouTubeなどネットの影響で申請者が増えている!?

 筆者は、さっそく2階の企画課に向かい申請書を提出した。空欄にしておいた日付欄については、担当の方から「鉄道利用完了後の日付になるので、翌日の日付で和暦で記入してください」と言われた。

 この担当の方に、石北本線での町外来訪者に宿泊費を助成する取り組みについて話を聞いたところ、「YouTubeで取り上げられたことやツイッター(現X)でも発信してくれる人がいることは認識しており、申請者も増えてきている」と教えてくれた。

 筆者がこの話を聞いて感じたことは、やはり鉄道に関連した取り組みはネットでも拡散されやすく、それが地域プロモーションにも直結しているということだ。取り組みを継続することで、石北本線の活性化と遠軽町へのさらなる来訪者増加につながることを期待したい。

遠軽の街並み。1989年までは遠軽から中湧別、紋別を経由して名寄まで名寄本線が通じていた(筆者撮影)
遠軽の街並み。1989年までは遠軽から中湧別、紋別を経由して名寄まで名寄本線が通じていた(筆者撮影)

(了)

 

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。

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