50億年後に地球は膨張した太陽に飲み込まれる!?海は蒸発し、地上は焼き尽くされ、最後に地球も消滅する
約50億年後、地球は膨張した太陽に飲み込まれると考えられています。最近はただでさえ地球温暖化により暑苦しくてしょうがない中、太陽がさらに近づいてくるなんて信じたくないですね。本記事では、地球の終焉について解説していきます。
■太陽とは一体どんな天体?
太陽は「水素」や「ヘリウム」という種類のガスが集まってできています。わずかに炭素や鉄なども含まれますが、炭素は約4800度まで、鉄は約2800度まで温度が上がるとガスになるため、太陽にはガスしかないんですね。そして、太陽の表面は約6000度、黒点でも約4000度です。ちなみに、中心部までいくと約1600万度まで上昇します。
一方、太陽表面は約2000km上空まで「コロナ」が存在しており、その温度は100万〜300万度という非常に高温なガスでできています。それでは、なぜ上空のコロナの方が太陽表面よりも温度が高いのでしょうか。仮説の1つは、磁力線に沿って伝わるアルベン波がコロナまでエネルギーを運んでいき、そのエネルギーがコロナで熱に変わって温める、と言われています。
■太陽は徐々に膨脹し、50億年後に地球を飲み込む
太陽の寿命は約100億年と言われており、燃料である水素を使って中心では常に核融合反応が起こっています。そして水素がなくなってくると、太陽はバランスが崩れて膨脹し、赤色巨星となるのです。
太陽が地球に接近した段階で地球の海は蒸発し、あらゆるものは焼き尽くされます。未来の私たちがたとえ高温に耐えれたとしても、いつかは太陽に飲み込まれ、地球は蒸発して消滅してしまうのです。そして太陽も最後にはガスがはがれていき、核の部分だけが残る冷え切った小さな暗い星となります。
残された50億年の間に、我々は火星や木星の氷衛星エウロパへの移住を本気で考える必要があるかもしれません。私たちの未来は少し明るすぎるのかもしれませんね。
■過去には太陽に突入した探査機がいた
2021年にNASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が人類史上初めて太陽の上層大気、いわゆるコロナに突入したことが発表されました。太陽周辺では1370度程の高温にまで達しますが、厚さ約11.4cmの炭素複合材でできた太陽熱シールドにより高熱から探査機を守ります。更に、搭載されている「ソーラープローブカップ」と呼ばれるセンサーは、太陽熱シールドの外に張り出して太陽の大気のサンプルを採集することで、実質的に太陽に「接触」することに成功したのです。
2022年9月には、探査機は超高温プラズマが放出されている「コロナ質量放出」にも突入し、脱出するまでの間の動画を撮影することに成功しました。このプラズマは最大で秒速3000kmもの速さに到達するとのことです。今回の観測では、秒速1350kmまで加速されたプラズマ粒子を観測することに成功。コロナ質量放出のメカニズム解明への手がかりになることが期待されています。
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