「李在明か、尹錫悦か」 次期有力大統領候補の支持率で割れる韓国世論調査結果
韓国の世論調査はこと政治に関してはあまりあてにならないことで知られている。異なった調査結果、それも真逆の結果が出るからだ。
韓国は来年３月に大統領選挙を控えている。与野党からすでに続々と候補者が名乗り出ているが、中でも与党「共に民主党」陣営では李在明（イ・ジェミョン）京畿道知事が、野党「国民の力」陣営では尹錫悦（ユン・ソッキョル）前検察総長が本命候補と有力視されている。
両人が最有力候補に絞られていることから韓国民の間では李知事と尹前検察総長の世論調査での支持率争いに関心が集まっているが、相も変わらず世論調査会社によって異なった調査結果が出ている。
韓国の世論調査は平均して全国有権者１千人を対象に行っているが、民放の「ＳＢＳ」が米国系世論調査会社「Ｉｐｓｏｓ-Ｓｏｐｒａ」に委託して６月２８日から２９日にかけて行った調査では李在明氏が２８．７％と、２６．１％の尹錫悦氏を２. 6ポイント引き離していた。
また、世論調査会社「グローバルリサーチ」がインタネットメディア「イーデイリー」の委託を受けて６月３０日から７月２日にかけて行った調査でも李氏が２６．５％、尹氏が２５．０％と、李氏が尹氏よりも１．５ポイント上回っていた。
(参考資料：「文在寅発言」よりも気になる次期大統領最有力候補の強硬な対日「３．１発言」）
ところが、世論調査会社「Ｒ＆リサーチ」が「毎日経済」系の報道専門チャネル「ＭＢＮ」の依頼により６月２８日から２９日にかけて実施した調査では尹氏が４１．４％と、３４．７％の李氏に６．７ポイントの差を付けており、続く世論調査会社「韓国ギャラップ」（６月２９日―７月１日）の調査でも尹氏が２５．０％と、２４．０％の李氏よりも１ポイント上回っていた。
さらに、韓国社会研究所が韓国の放送会社「ＴＢＳ」の委託受け、数日前（７月２―３日）に実施した調査でも尹氏が３１．４％、李氏が３０．３％で、尹氏が１．１ポイントリードしていた。
どちらが上回ったとしても１〜２％程度の僅差であることからたいした問題ではないが、前述の「グローバルリサーチ」は「両者の対決となった場合、どちらを支持するか」との設問もしており、その結果、李氏が４４．７％、尹氏が３６．７％となっていた。同じような設問を尹氏を優勢としている「Ｒ＆リサーチ」や「韓国ギャラップ」が行った場合、どのような結果となるのか知りたいところだ。おそらく、「グローバルリサーチ」の結果とは逆の結果が出るのではないだろうか。
なお、尹錫悦氏は保守野党「国民の力」からの出馬について依然として明言を避けているが、民間の独立通信社「ニューシス」が「グローバルリサーチ」に依頼して行った調査（６月３０日―７月２日）では「国民の力」の候補としての出馬を求める声が４０．９％、「無所属又は第３の候補」として出ることを求める声が２９．５％と、「国民の力」の候補者として立候補すべきとの声が多かった。（無回答=１９．９％、その他＝９．７％）
文在寅大統領及び政党の現在の支持率は「YTN」テレビが「リアルメータ」に依頼して全国の有権者約２５００人を対象に行った調査（６月２８―７月２日）によると、文大統領の支持率は再び４０%を割り、３８．０％。不支持は５８．１％で、前週に比べて、「支持」は１．６ポイント下がり、「不支持」は１．５ポイント上がった。また、政党別では「共に民主党」の支持率は２９．６％、「国民の力」は３７．７％と、「国民の力」が「共に民主党」よりも８．１ポイント上回っている。
