糸井、最年長盗塁王獲得なるか。白熱するパリーグの盗塁王争い
ソフトバンクと日本ハムが熾烈な首位争いを繰り広げている今季のパリーグ、個人タイトル争いでもオリックス・糸井が45盗塁でトップに立ち、史上最年長盗塁王へ向けてひた走っている。
明らかに増えた盗塁への意識
近畿大学時代は送りバントをしても一塁がギリギリで実質セーフティバントだったとも言われているが、宮津高校在籍時代に監督を務めていた現西舞鶴高校の市田匡史部長によれば「スタートが上手くない」らしく、高校時代は意外にも盗塁は多くない。
しかしプロ入り後は、昨季までに192盗塁を決め、成功率も78%と非常に高い。これはシーズン106盗塁、通算1065盗塁、13年連続盗塁王という金字塔を打ち立てた世界の盗塁王・福本豊の78.1%とほぼ同じ。
特に今季の走りっぷりは目覚ましく、4月3日のロッテ戦で盗塁を失敗してから次の盗塁刺が記録されたのは6月15日の阪神戦。2ヶ月以上盗塁失敗がなく、交流戦までの盗塁成功率は92.3%。交流戦以後の成功率は66.7%となっているが、トータルで76.3%の成功率を維持している。
また、一塁に出塁後、どれだけ盗塁を試みたかを(盗塁+盗塁刺)/(安打+四死球)で計算してみると昨季までが15%だったのに対し今季は31.1%。明らかにスタートを切る機会が増えている。
日本ハム相手に走れるか
現在、113試合を終えて45盗塁。これまでは33盗塁が最多だったからすでに自己記録を大きく更新している。
この45盗塁という数字は2位の西武・金子に3差をつけており12球団トップ。しかも消化試合数は西武の方が4試合多い。ちなみに盗塁成功率は
糸井 76.3%
金子 76.4%
と全く互角。オリックスも西武もCS出場は現実的に厳しく、ある程度リスクを冒すことが可能というチーム状況もよく似ている。
条件面では互角か糸井がやや有利だが1つだけ不安要素がある。
球団別成績で金子は満遍なく盗塁を決めているのに対し、糸井は日本ハム戦ではわずか1盗塁。安打と四死球の合計は30だから決して出塁出来ていないわけでもない。なのに盗塁刺も1つしかなく他球団と比べて仕掛ける回数がなぜか少ない。31盗塁を決めた2014年、33盗塁を決めた2013年には見られなかった傾向だ。日本ハム戦は残り7試合、史上最年長盗塁王の誕生なるか、は古巣との勝負が鍵を握りそうだ。