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関東から九州の梅雨明けは、早くても7月20日頃か?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
梅雨空(写真:アフロ)

七夕は関東周辺で梅雨空、その他は梅雨の晴れ間

推計気象分布(ウェザーマップ)
推計気象分布(ウェザーマップ)

きょう七夕は梅雨前線や低気圧の影響で関東周辺では雨が降っており、午後1時の気温は東京都心で20.6℃と平年より約7℃も低く、梅雨寒の様相を呈しています。

一方、梅雨前線が大きく南下している西日本では晴れ間が広がり、午後1時の気温は、大阪28.5℃、広島29.9℃、鹿児島29.0℃などで、また真夏日となっている所も多く、この時期らしい暑さとなっています。

今週水曜日は広く強雨のおそれ

7月10日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)
7月10日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)

週明けにかけて晴れ間の広がる西日本ですが、今週水曜日頃になると一気に梅雨前線が北上する予想です。

これは弱まっていた太平洋高気圧が沖縄付近で強まるためですが、さらに前線に向かって、高気圧の縁を回るように非常に湿った空気が流れ込むため、前線の活動が活発となるでしょう。

先日、記録的な大雨に見舞われた鹿児島など九州でも雨脚が強まり、雷を伴った激しい雨が降るかもしれません。

ただ先日と違って、今回は梅雨前線が同じような位置に停滞するような感じではないので、何日も大雨が降り続くということはないと思いますが、場合によっては非常に激しい降り方をするおそれもあり、注意・警戒が必要です。

今度の3連休は太平洋高気圧が消滅?

7月15日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)
7月15日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)

沖縄付近で強まる太平洋高気圧ですが、今週末からの3連休は再び衰弱傾向となり、7月15日、海の日の頃には最も弱まってしまう予想です。画面上では太平洋高気圧を確認することが出来ません。このため、本州付近は夏空とは程遠く、各地で曇雨天傾向の本格的な梅雨空が続いてしまうでしょう。

梅雨前線の活動具合によっては、引き続き、激しい雨が降り、大雨となるおそれもありそうです。

来週後半に太平洋高気圧は盛り返す?

7月17日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)
7月17日雨と高気圧の予想(ウェザーマップ)

3連休が終わると再び沖縄付近で太平洋高気圧の勢力が復活してくる予想です。

この太平洋高気圧が本州付近へ張り出してくれば関東以西でも夏空が広がり、梅雨明けにつながることになるのですが、今のところ、そうなるのは、早くても7月20日頃になるのではないかとみられます。

早ければというのは、この頃にどれ位張り出してくるのかはまだ予想がばらばらとみられ、もしかしたら7月下旬になってもだらだらと梅雨空が続く可能性も考えられます。

16日予報では?

16日予報(ウェザーマップ)
16日予報(ウェザーマップ)

ウェザーマップが発表した16日予報をみると、関東から九州にかけて、3連休は雨が降りやすく、その後来週いっぱいは曇雨天の傾向が続く見込みです。

7月20日頃からはようやく晴れ間のみられる予報となっており、早ければ、この頃に梅雨明けとなる可能性はあります。ところが天気の確率をみると、晴れ傾向と曇りや雨傾向でかなりばらつていることがうかがえます。

つまり高気圧の張り出し、あるいは梅雨前線の挙動次第などでは、7月下旬になってもまだまだ曇雨天の傾向が続く可能性も十分に考えられるということです。

梅雨明けは年による差が大きく、特にこのところ顕著で、例えば関東甲信の梅雨明けに関して言えば、平年値は7月21日ごろですが、2018年は6月29日ごろ、2017年は7月6日ごろ、2016年は7月29日ごろ、2015年は7月10日ごろといった具合に、非常にばらついています。

今年はもう早い梅雨明けというのはほぼ可能性がなくなり、早くても平年前後、もしかしたら2016年のように7月末までずれ込む可能性も否定できないでしょう。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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