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2014年東京都知事選挙主要4+1候補と、2013年参院選のネット選挙で注目された候補の検索量比較

西田亮介社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

2014年東京都知事選挙主要4+1候補と、2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補のGoogleトレンドを比較してみた。山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補は、当時ネット選挙を駆使した候補として知られている。なお3名のなかでは、山本候補のみ当選した。

Googleトレンドは、検索量が、相対的に表現されている。範囲内の最大値を100として比較している。検索量はプラットフォームのコアコンピタンスなので、絶対値は公開されていない。したがって、前者と後者の絶対量を表現したものではないことに注意する必要がある。

また「Yahoo!ビッグデータ」は、検索量と議席獲得数のあいだの相関関係を指摘したものの、それが一般的に観察できる傾向かどうか、またGoogle検索でも同様の傾向にあるかどうかはわからない。つまり、検索量と当選結果の関係性は、現時点では明確ではないことに注意が必要である。

ビッグデータが導き出した参議院選挙の議席予測−Yahoo! JAPANビッグデータレポート

http://event.yahoo.co.jp/bigdata/senkyo201307/

とはいえ、それらの注意を念頭に置いても、なかなか興味深い結果であった。

■2014年東京都知事選挙主要4+1候補

2014年東京都知事選挙主要4+1候補のGoogleトレンド
2014年東京都知事選挙主要4+1候補のGoogleトレンド

Googleトレンドでの検索結果

2014年1月23日木曜日

家入一真: 100

舛添要一: 26

宇都宮健児: 15

田母神俊雄: 28

細川護煕: 26

2014年1月30日木曜日

家入一真: 11

舛添要一: 12

宇都宮健児: 7

田母神俊雄: 6

細川護煕: 18

■2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補

2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補
2013年参院選の山本太郎候補、三宅洋平、鈴木寛候補

Googleトレンドでの検索結果

2013年6月30日~7月6日

山本太郎: 5

三宅洋平: 4

鈴木寛: 1

2013年7月14日~20日

山本太郎: 18

三宅洋平: 22

鈴木寛: 7

2013年7月21日~27日

山本太郎: 100

三宅洋平: 41

鈴木寛: 6

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2013年参院選の3者は、検索量には大きな差があったものの、7月21日の投開票日に向けて、3候補ともに検索量が増加していることがわかる。とくに山本候補の場合は、見事に、投開票日前後に、検索量をもっとも増加させていた。三宅候補も同様の傾向にあった。

2014年東京都知事選挙主要4+1候補はどうか。IT起業家として知られる家入候補が突如立候補を表明したこともあり、1月23日の告示日には、顕著に検索量が増えた。しかし、その後急落している。ウェブサービスやアプリのローンチ直後と似たような状況である。またその他の候補に至っては、告示日以前よりも検索量が減ってしまっている。

2014年の東京都知事選では、各候補がネット選挙のさまざまな対策を行ったことが指摘されたが、少なくとも現時点では検索量を増やすことには有効に貢献していないといえる。選挙戦も残すところおよそ1週間となった。後半戦の展開にも注目したい。

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2013年のネット選挙の経緯と民主主義、キーパーソンへのインタビュー等についてはこちら→

西田亮介,2013,『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』NHK出版.

日本におけるネット選挙解禁の経緯や、論点等についてはこちら→

西田亮介,2013,『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変容』東洋経済新報社.

社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

博士(政策・メディア)。専門は社会学。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励Ⅱ)、独立行政法人中小企業基盤整備機構経営支援情報センターリサーチャー、立命館大学大学院特別招聘准教授、東京工業大学准教授等を経て2024年日本大学に着任。『メディアと自民党』『情報武装する政治』『コロナ危機の社会学』『ネット選挙』『無業社会』(工藤啓氏と共著)など著書多数。省庁、地方自治体、業界団体等で広報関係の有識者会議等を構成。偽情報対策や放送政策も詳しい。10年以上各種コメンテーターを務める。

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