【京都市】上京区『北野天満宮』の近くにあった『法華堂撮影所』と『高津古文化会館』
『法華堂撮影所』建設
京都で最初の映画撮影所は、『二条城撮影所』で二条城前にありました。
2年で閉鎖されたのちに、移動したのが『法華堂撮影所』です。
『法華堂撮影所』は、御前通一条下ル東側に6つある寺のうちのひとつである十如寺(通称 法華堂(ほっけんどう)」の北側にありました。
そこは、なんと!全国天満宮の総本山である『北野天満宮』の南になります。
横田商会が建設したこの撮影所は、日本映画の父と呼ばれる「牧野省三」の発案で採光のために片屋根をガラス張りにしたグラス・ステージ1棟、現像所、俳優部屋、事務所が設けられ、機材も最新のものが揃えられたと言います。
『北野天満宮』の東側には、「牧野省三」の邸宅がありました。
家は火事で焼失しましたが、土蔵の二階にはフィルム収納棚が残されているようです。
この近辺には蔵が数軒残っていたので、地元の人っぽい奥様方に尋ねたのですが、「今はもう牧野省三さんを知る人が少なくて、訪ねてくる人なんて珍しくなったわねぇ。地元の人でも知らないよ」とおっしゃってました。
是非とも、次回は蔵ギャラリーに寄ってみたいと思います!(緊急事態宣言解除後)
『高津古文化会館』
映画美術装飾の老舗会社である『高津商会』の始まりは、明治45年(1912年)に古道具屋をしていた高津梅次郎の敷地を、「牧野省三」が撮影所への近道として通っていた際に、映画用に道具を借りたことから、と言われてます。
『高津古文化会館』(現在閉館中)は、日本映画の父・牧野省三氏の依頼をきっかけに、映画用の小道具として全国から集めた品々が母となり、その後、映画産業の成長に伴いコレクションの一部を文化財として保存する為、昭和50年(1975)に財団として、初代館長の高津義家氏が設立。
「牧野省三」が「本物を使う」ことにこだわったことから、そのクオリティは単なる「映画の小道具」の域をはるかに上回り、重要文化財も数件含まれる非常にレベルの高いコレクションが揃っています。
江戸時代の風俗画屏風、狩野派円山四条派の絵画、茶の湯の道具、京焼、甲冑、漆工芸、近世大名婚礼調度など多岐にわたり展示されています。残念ながら現在は閉館中ですが、近い将来これらが見られるといいですね。
日本映画の父「牧野省三」は「高津商会」や、俳優「目玉の松ちゃん」こと「尾上松之助」や「月形竜之介」などが活躍して日本最初の無声映画(忍者物など時代劇)を作り、ともに日本映画の礎を築いてきたのですね。
「法華堂撮影所」が閉鎖されるまでの6年間もの間に、なんと400本上撮影、ピーク時には3日に1本のペースで製作されていたというから驚きです!
跡地には、天神通に面して寺の石碑があり、大将軍商店街の下町の雰囲気とともに、いまでもその当時の様子を伺うことができます。
北野天満宮
所在地: 〒602-8386 京都府京都市上京区馬喰町
営業時間: 05:00~16:00
電話: 075-461-0005
高津古文化会館 (現在閉館中)
住所:〒602-8375 京都市上京区今出川天神筋下ル大上之町61
お問い合わせ電話:075-461-8700
E-Mail:koudukobunnka@ace.odn.ne.jp