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1試合に2つのメジャーリーグ記録。「1試合5長打」と「野手3人の登板」

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・カーペンター/この試合3本目のホームラン Jul 20, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月20日にリグリー・フィールドで行われた試合で、マット・カーペンター(セントルイス・カーディナルス)は5本の長打を放ち、ジョー・マッドン監督(シカゴ・カブス)は3人の野手を登板させた。

 史上初ではないものの、どちらもメジャーリーグ最多記録だ。1試合5長打は14人目、1チーム3人の野手登板は3度目。カーペンターは1打席目から、本塁打、本塁打、二塁打、二塁打、本塁打と続けて打ち、カブスは6回表2死から、トミー・ラステラビクター・カラティニイアン・ハップが継投した。ラステラは登板後に三塁を守り、カラティニは一塁からマウンド、マウンドから一塁へ。ハップはライトからマウンドに上がった。

 野手3人の登板は、カーペンターをはじめとするカーディナルスの猛打によって生まれた。だが、カーペンターの長打5本は、野手登板のおかげではない。カーペンターが6回表にホームランを叩き込み、リードを14点に広げたところで、マッドン監督は5人目の投手としてラステラを起用した。

 その裏の守備に、カーペンターはつかなかった。カーペンターは、6回が終わるまでに長打5本を打った史上初の選手となり、16塁打は1番打者の最多記録を塗り替えたが、1試合6長打の新記録は作れなかった。暫定監督のマイク・シールトがカーペンターを交代させたのは、マッドン監督が野手登板でブルペンの消耗を防いだのと、似たような理由だろう。翌日はダブルヘッダーが組まれていた。

 最後まで出場していれば、少なくともあと1度、カーペンターには打席が回ってきた。マウンドに上がったカブスの野手は、3人とも長打を1本ずつ打たれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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