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昨年のホームランが大谷翔平より多かった2人は、ここまでに何本打っているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(左)と大谷翔平 May 29, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、46本のホームランを打った。それよりも多かったのは、ともに48本塁打のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)だけだ。40本塁打以上は、他に2人。ゲレーロJr.とチームメイトのマーカス・シミエン(現テキサス・レンジャーズ)が45本塁打を記録し、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)は42本のホームランを打ち、ナ・リーグの本塁打王を獲得した。

 この5人のうち、大谷とゲレーロJr.は、今シーズン、どちらも18本塁打を記録している。7月1日に大谷がホームランを打ち――試合は1対8でエンジェルスが敗れた――ゲレーロJr.に並んだ。エンジェルスは79試合、ブルージェイズは77試合を終えている。昨シーズン、それぞれのチームが同数の試合を終えた時点のホームランは、大谷が28本、ゲレーロJr.は26本だった。

 2人とも、昨シーズンと比べると、ペースは遅い。とはいえ、2年連続40本塁打以上は可能なペースだ。

 他の選手のホームランは、さらに少ない。ペレスは、11本塁打だ。しかも、6月下旬に左手親指の手術を受け、復帰は8月下旬以降の見込み。最悪の場合、今シーズンは再びプレーできないかもしれない。

 シミエンは、開幕から不振に喘いだ。レンジャーズの45試合目(出場44試合目)に打ったグランドスラムが、今シーズンの1本目だ。それについては、「前年45本塁打のスラッガーが、開幕45試合目に今シーズン1本目のホームランを打つ」で書いた。6月は7本のホームランを打ったものの、まだ、シーズン二桁には達していない。7月1日のホームランにより、シーズン9本としている。

 ペレスもシミエンも、今シーズンは大型契約の1年目だ。ペレスは、昨シーズンの開幕前に4年8200万ドル(2022~25年)の延長契約を手にした。シミエンは、昨オフにFAとなり、レンジャーズと7年1億7500万ドル(2022~28年)の契約を交わした。

 タティースJr.は、ホームランを打っていないどころか、試合に出場していない。3月に左手首の手術を受け、故障者リストに入っている。復帰するのは、7月下旬か8月上旬だろう。こちらは、14年3億4000万ドル(2021~34年)の契約2年目だ。

 なお、今シーズン、両リーグ最多の29本塁打を記録しているアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)も、昨シーズンの本数は少なくなかった。40本塁打まであと1本に迫り、マット・オルソン(当時オークランド・アスレティックス/現アトランタ・ブレーブス)、ブランドン・ラウ(タンパベイ・レイズ)、ミッチ・ハニガー(シアトル・マリナーズ)と並び、ア・リーグ5位タイに位置した。

 ジャッジは、2017年に52本のホームランを打ち、ア・リーグの本塁打王を獲得した。今シーズンのペースは、わずかながら5年前を上回る。

 ちなみに、昨シーズンに39本塁打の他3人は、今シーズン、合計で20本塁打だ。その内訳は、オルソンが12本、ラウが5本、ハニガーは3本。オルソン以外の2人は、故障者リストに入っている。

 なお、こちらでは、メジャーリーグと日本プロ野球ではあるものの、どちらも現時点では29本塁打ということで、ジャッジと村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)のペースを比較した。

「村上宗隆とアーロン・ジャッジは、ともに29本塁打。量産ペースはどっちが上!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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