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平日でも一番多用されるのはテレビ受像機で3時間以上…パソコンや携帯電話やテレビなどの利用状況

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
テレビは今でも家族全体で楽しめる情報電子機器だが、実際の利用時間は(写真:アフロ)

平日で一番多用されるのはテレビ受像機

テレビは基本的に映像・音声の出力しかできないが、番組をリアルタイムで映し出す他に、DVD・BDプレイヤーの再生映像を観たり、さらにテレビゲームの画像表示用としても使われる。また携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォン双方)ではワンセグを用いたテレビ視聴機能が使えるのが当たり前となりつつある。これら機能のクロスオーバーを考慮した上で、それぞれどの機種が長時間使われているか、見方を変えれば利用者の時間を奪っているか、気になるところではある。今回はその疑問を解消すべく、総務省が2022年8月に情報通信政策研究所の調査結果として公開した「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の公開値から確認していく。

次に示すのは主に情報の取得用ツールとして一般家庭で利用されるもののうち代表的な「パソコン」「携帯電話」「タブレット型端末」「テレビ受像機」それぞれにおける利用時間。さらに「携帯電話」は「携帯(スマートフォン)」と「携帯(従来型)」に細分化したものも併記しておく。

なお今件においては、本来は他メディアでの利用がメインとなる機能でも、利用したメディアでのカウントが行われる。例えば携帯電話でワンセグを用いてテレビ番組を観た場合、「携帯電話」の利用時間と見なされる。またテレビ受像機をゲーム画面やBD・DVDの再生出力機として使った場合は、テレビ受像機の利用時間となる。

↑ 主な機器の平均利用時間(平日、分)(2021年)
↑ 主な機器の平均利用時間(平日、分)(2021年)

10~20代を除けばテレビ受像機の利用時間がもっとも長い。そして年上になるに連れてテレビ受像機の時間は延びていき、10代と60代とでは3倍以上もの差が生じている。10~20代はテレビ受像機よりも携帯電話、実態としてはスマートフォンの利用時間の方が長い。平日ではテレビ受像機よりもスマートフォンを長時間使うのが、今の10~20代の実情ということになる。

携帯電話は20代が最長で、それ以降の年齢では漸減。ただし実情はほとんどがスマートフォンによるもの。パソコンは10代が年齢階層別では最短で、その後20代から50代までは年とともに長くなっていく。これは就業者の仕事における利用が底上げしているものと思われる。

また、機能別ではなく今件のように端末別で考えた場合、すでに10~40代は、パソコンよりも携帯電話(ほとんどスマートフォン)の方が利用時間が長い年齢階層となっているのも興味深い。他方年上となるに連れて利用時間の一極集中化、具体的にはテレビ受像機への注力度合いが上がり、60代ではパソコン・携帯電話・タブレット型端末すべてを合わせても、テレビ受像機の半分程度の時間にしかならない。いかに高齢層が平日からテレビ受像機に熱中しているか、そしてながら視聴ではなく注力した視聴なのかがうかがい知れる。

休日は皆が長時間テレビ視聴

同じ条件で休日について尋ねた結果、そして平日との違いを明確化するために休日・平日の差異を算出した結果が次のグラフ。

↑ 主な機器の平均利用時間(休日、分)(2021年)
↑ 主な機器の平均利用時間(休日、分)(2021年)

↑ 主な機器の平均利用時間(休日-平日、分)(2021年)
↑ 主な機器の平均利用時間(休日-平日、分)(2021年)

年齢階層別の利用時間の長短度合いは平日とあまり変わらないが、全体的に平日よりも長い時間となる。テレビ受像機は10代でも1時間半強、60代では6時間強はテレビ受像機に首ったけ。いかに高齢層がテレビ好きか、その実情が分かる。他方、休日でも10~20代においてはテレビ受像機利用時間よりも携帯電話(ほとんどスマートフォン)の利用時間の方が長いことに変わりはない。

平日との差異で行動の違いを見ると、10代を除くすべての年齢階層でパソコンの利用時間が短くなっている。これは平日の利用が多分に職場におけるものだったことをうかがわせる。10代が逆に長くなっているのは、休日に保護者のパソコンを使わせてもらっているからだろうか。また、10~20代は特に携帯電話(実質スマートフォン)の利用時間が大きく延びているが、フルに使えるプライベートタイムに、知人などとのやり取りをしていると考えれば道理が通る。

タブレット型端末や従来型携帯電話の利用状況にほとんど変わりはなく、10~30代はスマートフォンとテレビ受像機、40代以降はテレビ受像機が大きく伸びている。60代は休日の娯楽として、テレビ受像機を利用した時間の使い方に注力しているようだ。スマートフォンも使いこなす若年層とは大きな違いではある。

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※令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2021年11月30日から12月6日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳~69歳の1500サンプルを対象としたもの。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「経年での利用時間などの変化については、調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きを入れている。さらに2020年分の調査については「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」との補足があった。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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