犬と猫、専門誌販売部数はどちらが上か…犬猫系雑誌の部数動向(2024年7~9月)
愛犬・愛猫の情報源として、雑誌は非常に有益。ではその犬猫系雑誌の部数動向はどのような状態なのか。犬猫そのものの需要、人気をも連想させる実情を、日本雑誌協会が四半期ベースで発表している印刷証明付き部数(※)から確認する。
犬や猫の定期刊行雑誌は少なからず存在するが、印刷証明付き部数が日本雑誌協会の公開データベースに収録されているものは、ベネッセ刊行のペット専門誌「いぬのきもち」と「ねこのきもち」のみ。書店での一般売りはなく、通販専用の雑誌。書店でサンプルが配られていることが多い。その印刷証明付き部数は次の通り。
発行元のベネッセにおける大規模情報漏えい問題に絡み、部数を大きく減らした2014年からはすでに10年ほどが経過している。「ねこのきもち」はほぼその時の下げを回復するレベルにまで復調し、その後の下落も緩やかなスピードだった。一方で「いぬのきもち」はリバウンド後に失速し、さらに減少度合いは加速、2019年1~3月期を底にようやく持ち直しを見せた程度。結果として犬猫で大きく異なる結果が出てしまっていた。
ところが2022年の夏あたりから両誌とも急速に部数を減らし、グラフの形状も急な右肩下がり状態となっている。不安を覚える動きには違いない。
関連団体による試算だが、日本国内のペット数動向では犬が減少し猫は横ばいとの結果が出ている(【令和5年 全国犬猫飼育実態調査(ペットフード協会)】)。最新となる2023年時点での犬の飼育頭数は約684.4万頭、猫は約906.9万頭。両誌の部数もそれに連動するものと考えれば納得がいく。それゆえに、2022年の夏あたりからの部数減少が気になるところだ。ここ数期は両誌とも部数の動きがゆるやかになり、ようやく底を打ったように見えるのが幸い。
直近期では「いぬのきもち」が約4.3万部で前年同期比はマイナス10.5%、「ねこのきもち」が約5.5万部でマイナス11.6%。ペットとしての犬猫の需要にも浅からぬ関係があるだけに、大いに注目したい。
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※印刷証明付き部数
該当四半期に発刊された雑誌の、1号あたりの平均印刷部数。「この部数だけ確かに刷りました」といった印刷証明付きのものであり、雑誌社側の公称部数や公表販売部数ではない。売れ残り、返本されたものも含む。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。