Yahoo!ニュース

大野雄大の前に、2年続けて最優秀防御率のタイトルを獲得した投手たちの「3年目」は

宇根夏樹ベースボール・ライター
前田健太(左)とダルビッシュ有(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大野雄大(中日ドラゴンズ)は、2019年も2020年も、最優秀防御率のタイトルを獲得した。2リーグ制となった1950年以降、連続の最優秀防御率は、大野が13人目だ。

 これまでの12人中、稲尾和久菅野智之(読売ジャイアンツ)の2人は、史上最長の3年連続。それぞれ、1956~58年と2016~18年に、リーグ・ベストの防御率を記録し続けた。1951~52年に2年続けてパ・リーグ1位だった柚木進の場合、現在の規定投球回に当てはめると、1年目の1951年は、柚木とともに南海ホークスで投げた服部武夫が1位で、柚木は2位となる。服部は155.0イニングで防御率2.03、柚木は198.1イニングで防御率2.08を記録した。また、2003~04年にパ・リーグ1位の松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ)は、2003年が福岡ダイエーホークスの斉藤和巳とタイ。どちらも194.0イニングを投げで防御率2.83を記録し、タイトルを分け合った。

 大野の前に、2年続けて最優秀防御率のタイトルを手にした投手たちが、「3年目」に記録した防御率と順位は、以下のとおり。1995~96年にパ・リーグ1位の伊良部秀輝を除き、11人は「3年目」も規定投球回に達した。1997年の伊良部は、ニューヨーク・ヤンキースの投手として、メジャーリーグの53.1イニングで防御率7.09、マイナーリーグ3クラスの計46.0イニングで防御率1.96を記録した。

筆者作成
筆者作成

 直近の4人は、2年連続の最優秀防御率に続き、「3年目」もリーグ・トップ3にランクインした。ストリークを3年に伸ばした菅野だけでなく、3年連続とはならなかった他の3人も、1位との差はわずかだった。

 2005年の松坂は、杉内俊哉と0.19差の3位。2011年のダルビッシュ有(現シカゴ・カブス)は田中将大との差が0.17しかなく、2014年の前田健太(現ミネソタ・ツインズ)にしても、菅野との差は0.27だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事