「触れ合うの好きだよなぁ」海外流の挨拶…時代の流れで変わったが慣れないわけ
オランダ在住のひかさん。オランダ流の挨拶がなかなか慣れなかったようですがコロナ禍を機に少し変わったようです。
オランダ生活での挨拶文化に戸惑い続けるひかさんの話は、なんとも微笑ましく、そして少し共感を誘います。
日本での「深々とお辞儀」という静謐な挨拶に慣れ親しんだひかさんにとって、「握手を病院で交わす」という光景はまさにカルチャーショックの嵐だったようです。「病院で手を握るのは診察の時だけでは…?」と最初は驚きつつも、やがてそれが当たり前になっていくのが異国での生活の面白さでもあります。
しかし、親しい間柄でのチークキス。これがひかさんにとっての“難関ステージ”だったようです。抱き合いながら左右交互に頬を3回合わせる――え、3回も!? 1回でも十分緊張するのに…。しかも、この「頬の合わせ方」にも微妙な加減があるそうで、勢い余って相手の鼻とぶつかることもあれば、間が空きすぎて不自然な空気になることも。異性間ではあまり行われないと聞いて、ホッと胸をなで下ろしながらも「これは永遠に慣れないだろうな」とつぶやくひかさん。
そんな中、コロナ禍がひかさんにとっての「救済措置」となりました。「ソーシャルディスタンス」が推奨され、握手は影を潜め、チークキスも消滅。そして登場したのが、どこか現代的でコミカルな「グータッチ」。ひかさんはこれを「近代オランダ式挨拶」と呼び、適度な距離感を楽しんでいましたが、最近また握手が復活してきたことに気づきます。「触れ合うのが好きなんだなぁ」と、ひかさんは感心しつつ、どこかオランダ人の人懐っこさに温かさを感じている様子。
とはいえ、病院だけはやはり例外。近年では挨拶における「触れ合い」はすっかり消え、言葉や表情のみで済ませることが主流になったそうです。「あの頃の握手三昧の時代が嘘みたい」と振り返りつつも、人との距離感を大切にするようになった現代のオランダを興味深く見守るひかさん。結局のところ、文化も人も変化していくもの。でも一つ確かなのは、ひかさんのようにその違いに戸惑い、時に笑いながらも馴染もうとする姿こそが、異文化理解の第一歩なのかもしれません。