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今日登板のシャーザーは、6三振を奪うとマダックスに並び、通算奪三振の歴代トップ10にランクイン

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)Sep 6, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月12日、マックス・シャーザー(テキサス・レンジャーズ)は、トロント・ブルージェイズの本拠地、ロジャース・センターのマウンドに上がる。

 今シーズン、シャーザーは、ニューヨーク・メッツで19試合に登板し、107.2イニングを投げて121三振を奪った。レンジャーズへ移ってからは、7登板の39.2イニングで51奪三振を記録している。

 前年までの15シーズンに奪った3193三振と合わせ、通算奪三振は3365。現役投手では最も多く、あと6三振を奪うと、グレッグ・マダックスと並び、歴代10位に位置する。

 3000奪三振以上の投手は、以下のとおり。

筆者作成
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 9位のウォルター・ジョンソンの奪三振は、ベースボール・リファレンスやホール・オブ・フェイム(殿堂)が3509、MLB.comは3508としている。ジョンソンは、1907~27年にワシントン・ナショナルズ(現ミネソタ・ツインズ)で投げた。

 マダックスとシャーザーは、奪三振の数こそ近いものの、奪三振率は大きく異なる。シャーザーの通算奪三振率10.70は、3000奪三振以上の19人のなかで、最も高い。7月下旬に39歳となった今シーズンも、奪三振率10.51を記録している。

 ただ、今シーズンの防御率は3.91。メジャーリーグ5年目の2012年以降、シャーザーのシーズン防御率は3.75を超えたことがない(今シーズンも、そうなる可能性はあるが、現時点では超えている)。しかも、2012~22年の11シーズン中8シーズンは防御率2点台。あとの3シーズンは、2014年が防御率3.15、2012年と2020年はどちらも防御率3.74だ。

 この夏、レンジャーズへ移ってからは、6登板で防御率2.21を記録したが、7登板目の9月6日は、最初の3イニングにホームランを1本ずつ、2ラン、ソロ、グランドスラムを打たれ、4イニング目のマウンドには上がらなかった。3イニングで7失点(自責点7)、奪三振は4だ。ちなみに、夏のトレードまでともにメッツで過ごし、この試合で投げ合ったジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)は、7イニングを2失点(自責点1)に抑えた。

 レンジャーズは、5月6日から8月24日まで単独の地区首位に立っていたが、現在は、アストロズに2ゲーム差をつけられている。ワイルドカード・レースでは、ポストシーズン進出圏内の3位にいるものの、すぐ下のシアトル・マリナーズとの差は0.5ゲームに過ぎない。

 9月12日の登板は、いくつの三振を奪うかよりも、チームに勝利をもたらすことができるかどうかが、いつもの登板以上に重要となる。シャーザーが対するブルージェイズは、ワイルドカード・レースでレンジャーズのすぐ上に位置する。こちらも、ゲーム差は0.5だ。

 なお、3000奪三振以上の19人に次ぐ、20位と21位には、現役投手が並んでいる。ザック・グレインキー(カンザスシティ・ロイヤルズ)が2966奪三振、クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)は2930奪三振を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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