強い台風3号 関東最接近は13日予想 なぜ、急にスピードが速くなるのか
強い台風3号は10日(土)午前9時現在、フィリピンの東海上をゆっくりとした速さで北上しています。中心の気圧は970hPa、最大風速は40メートルで、11日(日)にかけて発達のピークとみられます。
信頼度アップ 予報円半径は半分に
傍から見ても明らかなのがこれまでと比べて、進路予想がシャープになってきたことです。実際に、13日午前9時の予報円半径は3日前の半分になり、予報の信頼度が高くなったことがわかります。
さらに、台風は今後、スピードを上げて本州に近づき、関東に最も接近するのは13日(火)午前中です。
先日の台風2号のときはフィリピンの東海上から関東地方に接近するまで5日かかりましたが、今回の台風3号では3日となるため、早めの対策、準備が必要です。
なぜ、急にスピードが速くなるのか
台風3号はあるものに影響を受けて、北上スピードが速まります。あるのもとは何か?それは雲画像をみるとわかります。
雲画像の左側にあるのは白く大きく渦を巻く台風3号(赤丸)です。一方、右側に見える中心付近に雲のない、穴の開いた雲が上空の寒気によって発生した雲(青丸)で、その名も寒冷渦(かんれいうず)と言います。
一見すると気がつきにくいけれど、スケールの大きい渦巻きであることは同じで、互いに働きかけ、影響を及ぼします。2つの渦の相互作用というと、藤原の効果を思い浮かべますが、寒冷渦でも同じことが起こります。過去には寒冷渦に影響され逆走した台風がありました。
この寒冷渦は今後、小笠原諸島近海を北上する予想で、台風3号は寒冷渦の後を追うようにスピードが速まるのです。
【参考資料】
森田正光、2013:「藤原の効果」のルーツは、Yahoo!ニュース個人