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【史上最年少名人ロード】藤井聡太竜王(20)11月14日、A級5回戦で広瀬章人八段(35)と1敗対決

松本博文将棋ライター

 11月14日。東京・将棋会館において第81期A級順位戦5回戦▲藤井聡太竜王(3勝1敗)-△広瀬章人八段(3勝1敗)戦がおこなわれます。

 藤井竜王の順位戦通算成績は驚異の52勝4敗(勝率0.929)です。

 もし藤井竜王が今期A級を勝ち進んで名人挑戦権を獲得し、来年度の名人戦七番勝負で渡辺明名人を降すと、史上最年少20歳での名人就位となります。

 今期A級は現在、5回戦が進行中です。1敗対決となった豊島将之九段-菅井竜也八段戦は、豊島九段が制しました。

 現在の暫定トップは4勝1敗の豊島九段。本局もまた1敗対決で、勝者は豊島九段に並びます。今期中盤の、大きな大きな山場といえるでしょう。

 藤井竜王と広瀬八段は現在、竜王戦七番勝負を戦っています。第4局は藤井竜王が勝ちました。

 両者の通算対戦成績は藤井8勝、広瀬2勝です。

 両者の過去の対局はすべて、角換わりなど相居飛車の戦いでした。

 広瀬八段はかつては「振り穴王子」として名をはせました。居飛車党に変わって久しい現在でも、広瀬八段の振り飛車穴熊を望む声はよく聞かれます。

 とはいえ本局もおそらく、相居飛車となるでしょう。広瀬八段は竜王戦七番勝負において、入念に準備した新工夫を何度も披露しています。まずは序中盤の作戦に注目です。

 藤井竜王の今年度成績は23勝6敗(勝率0.793)です。

 広瀬八段の今年度成績は15勝7敗(勝率0.682)です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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