間も無くゴング! 愛息の自死から3カ月……元パウンド・フォー・パウンドがプロモーターとして
今夜、ワシントン州トペニッシュで、NBAスーパーフェザー級タイトル空位決定戦(10ラウンド)が催される。木曜日のボクシング興行とは珍しい。
無敗同士の戦いで、プロ11戦目のマンディープ・“MJ”・ジャングラにとっては、ロイ・ジョーンズ・ジュニアにトレーナーを依頼してから8戦目となる。対戦相手は、ニロ・ゲレーロ。
かつてのパウンド・フォー・パウンド、ロイ・ジョーンズ・ジュニアは、トレーナーのみならず、今回のプロモーターでもある。彼は、ワシントン州トペニッシュのレジェンズ・カジノ・ホテルを会場とした。同イベントは$9.99でネット配信され、ロイ・ジョーンズ・ジュニアはマイクを身に付け、戦況を分析しながらセコンドを務めるというから大忙しだ。
ミドル、スーパーミドル、ライトヘビー、ヘビーと4階級制覇を成し遂げたジョーンズは、語った。
「木曜日は素晴らしいイベントになるだろう。私はこのカードに将来性のある3人を出場させる。2人は未来が大いに期待できる有望選手。3人目は既に世界タイトルを射程圏内に捉えている。実に楽しみだ。まだファンが目にしたことのない選手ばかりだが、可能性があって面白いよ。私にとっても、非常にエキサイティングな日になりそうだ。どうか、お見逃しなく!」
笑顔を振り撒く元チャンピオンの姿に、筆者は痛々しさを感じた。今年6月22日、ロイ・ジョーンズ・ジュニアは愛息を自殺という形で失っている。その折、彼はSNSで以下の声明を出した。
「残念なことに私の息子、デアンドレは土曜日(※6月22日)に自ら命を絶ちました。金曜日の夜、神が家族と私に人生最後の夜を過ごす時間を与えてくれたことに心から感謝します。
今、多くの人が困難な状況に置かれていることを理解しています。でも、自分の命を絶つ行為に、価値などありません。生命とは神によって与えられ、神がそれを奪うべきものです。私自身と家族が喪の作業に向かう間、どうか我々のプライバシーを尊重してください」
哀しみを癒すために、敢えて精力的にプロモーター活動に没頭しているのかーー。ロイ・ジョーンズ・ジュニアは筆者と同じ歳である。1999年の夏には、ネバダ州レイク・タホでインタビューに応じてもらった。
「逆縁」。しかも自死で息子を失った彼の気持ちを思うと、こちらも胸が苦しくなる。