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那須でご静養中の天皇ご一家 幼少期の「愛子さま」に思わず両陛下が吹き出した出来事とは?

つげのり子放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)
那須御用邸を散策される天皇ご一家(写真:毎日新聞社/アフロ)

天皇ご一家は毎年のように夏の一時期を那須で静養されていたが、コロナ禍による影響から令和元年の夏を最後に自粛されてきた。しかし今年8月21日、ご一家は4年ぶりに那須塩原駅に現れ、出迎えた多くの人びとの歓迎の声に包まれた。

その歓迎に応えられるかのように、ご一家は人びとと交流。愛子さまが地元の小学6年生の男の子に、「宿題はいっぱいあるんですか?」と質問される場面も。

愛子さまにとって那須は、幼い頃から夏休みを過ごされた、楽しい思い出の地。

高原の涼やかな風に吹かれながら、ご家族3人であちこちを散策されてきたことだろう。

そして、動物好きの愛子さまが、那須で楽しみにされているに違いない場所とは―。

◆動物好きの天皇ご一家が一日かけて過ごされる場所

那須ご静養中、天皇ご一家がほぼ毎年のように訪れていらっしゃったのが、「那須どうぶつ王国」だ。

以前、筆者は「那須どうぶつ王国」を取材で訪れたことがある。ここは、動物たちと間近で触れ合うことができる、遊び、学べる体験型のテーマパークだ。

カピバラの森では、体長約1メートルのカピバラがすぐ側でゴロンと寝っ転がり、右側をさすってあげると、「今度はこっち側も掻いてくれ」と言わんばかりにおねだりして、ほのぼのした姿にすっかり癒されてしまった。

カピバラ資料写真
カピバラ資料写真写真:イメージマート

天皇ご一家はここを訪れた時、たっぷり一日かけてお過ごしになるという。総支配人の鈴木和也さんに話を聞いたところ、愛子さまが初めてここを訪れたのは平成18年、幼稚園生の時だったという。

小さい愛子さまと雅子さまが手を繋いで、陛下と3人で回られたとか。幼い頃の愛子さまはウサギがお好きで、ウサギがいるところで1時間くらいとどまることもあったという。

振り返れば、愛子さまがまだ生後5か月の時。雅子さまに抱かれて那須の南ヶ丘牧場を訪れた際、ウサギと仲良くなろうと小さな手を伸ばしたところ、加減が分からずに、うっかりゴツンと当たってしまったことがあった。

平成14年、那須塩原駅に到着された天皇ご一家(写真:筆者所蔵)
平成14年、那須塩原駅に到着された天皇ご一家(写真:筆者所蔵)

◆ご一家の楽しい挑戦エピソード

天皇ご一家がラクダのライドパークを訪れた時には、雅子さまは目の前のフタコブラクダをご覧になり、「ラクダに乗りたいです」とおっしゃったという。

雅子さまは颯爽とラクダの2つあるコブの間にまたがり、まるで砂漠の貴婦人ごとく、弾けるような笑顔で手を振られたとか。

続いて愛子さまも、お一人でラクダに乗られたのだが、まだ身体が小さいため、ラクダのコブが高すぎてお姿が見えず、両陛下も予想外の出来事に思わず吹き出してしまったという。愛子さまの次に陛下もラクダに乗り、順番にご家族3人で楽しまれたらしい。

他にも、那須どうぶつ王国で愛子さまが生まれて初めて経験されたものがある。硬貨を入れて回転式のレバーを回す、あのガチャガチャだ。

エサの販売機では百円玉をガチャガチャに入れて、動物たちのエサを購入するのだが、一回やると愛子さまが嬉しそうにされ、楽しくて何回も繰り返しているうち、小銭が足りなくなってしまったこともあるという。

◆可愛い動物の赤ちゃんたち

筆者が訪れた令和元年は、那須どうぶつ王国で、世界最古の猫といわれるマヌルネコの赤ちゃんが生まれた。マヌルネコのコーナーに行くと、愛らしい赤ちゃんを発見。モフモフな毛と黄色の瞳でこちらを見つめ、まるでぬいぐるみのように可愛らしかった。

天皇ご一家も珍しいマヌルネコの赤ちゃんと会われて、動物好きの愛子さまもきっと顔をほころばせて喜ばれたことだろう。

那須どうぶつ王国では、今年6月にカワウソの中で最も体が小さい、コツメカワウソの赤ちゃん5頭が生まれた。8月18日から一般公開が始まり、すでに同園の人気者となっている。母親、父親の一生懸命な子育ての様子も見られる。

今年も天皇ご一家が訪れたら、コツメカワウソの赤ちゃんたちの元気な姿に触れて、楽しい思い出を作られることだろう。

コツメカワウソ資料写真
コツメカワウソ資料写真写真:イメージマート

那須と動物たちと愛子さま。こうした平和で穏やかな夏が、ずっと続きますように……。

「卒業論文に取り組まれる愛子さま 両陛下からのアドバイスは?」

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c5c900e8bfbf605393bc986593307520705dee1d

「上皇ご夫妻ゆかりの『軽井沢』 貴重な写真とともに歩く」

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/6c8b91f7db924a89435606739a6f4dfeded3b069

放送作家、ノンフィクション作家(テーマ:皇室)

2001年の愛子内親王ご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。皇室研究をライフワークとしている。日本放送作家協会、日本脚本家連盟、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)、『女帝のいた時代』(自由国民社)、構成に『天皇陛下のプロポーズ』(小学館、著者・織田和雄)がある。

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