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大規模な黄砂飛来と花粉ピークが重なる週末…エアコン使用と換気は避けるべき?気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

今日30日から明日31日にかけては、沖縄を除き全国的に黄砂が飛来する予想となっています。

さらに、九州〜東北ではスギ花粉の飛散量も非常に多くなりそうで、そうなってくるとこの週末はエアコンを使わず、窓を開けての換気もやめた方がよいのでは?と思えてきます。

しかし、本当に避けるべきは違う行動にあるのです。

エアコンからは意外と侵入しない

3月30日15時の黄砂予想(気象庁Hより)。西日本では車や洗濯物の汚れが目立つ濃度のところも。関東でも空がかすみそう。
3月30日15時の黄砂予想(気象庁Hより)。西日本では車や洗濯物の汚れが目立つ濃度のところも。関東でも空がかすみそう。

エアコンは室外機を通して外気とつながっているため、エアコンを使うと外から黄砂や花粉が入ってきてしまうイメージがあるかもしれません。 

しかし、そもそもエアコンは部屋の中の空気を吸い込み、それを暖かくして(冷房使用時は冷たくして)再び室内に吐き出すという仕組みですから、エアコンから吐き出された空気は(温度が変わっただけで)もともと室内にあったもの。

流入する黄砂や花粉がゼロというわけではないものの、使用を我慢するほどではありません。

この週末、日中は20〜25度と過ごしやすい気温のところが多いですが、内陸部など朝晩はまだ暖房が必要な地域もありますし、逆に西日本など日中25度を超える地域では暑さがつらいと感じたら冷房が必要になってくる可能性も。

黄砂や花粉が気になる場合は、エアコンを我慢するのではなく、玄関から出入りする際に扉の開閉の幅を最小限にするよう気をつけましょう。

玄関からの侵入の方が圧倒的に多いため要注意です。

換気は窓を10センチだけ開けて

環境省のデータによると、一般的なマンションで窓を全開にして1時間換気した実験では、実に1,000万個もの花粉が入ってきたそうです。

想像しただけでも怖い数字ですが、窓を開ける幅を10センチにしてレースのカーテンも使用すれば、流入量を1/4に減らすことができたとのこと。

今の時期は感染症対策で換気が必要なケースもありますが、そういった場合は窓を開ける幅やカーテンで調整しましょう。

帰宅後はできるだけ早く花粉や黄砂の除去を

外から帰ってきた時に衣服の花粉を払い落とす習慣は比較的定着してきていると思いますが、花粉や黄砂は肌にもかなりの量が付着しています。

そのまま生活すると室内にまき散らしてしまうことになりますし、花粉や黄砂といった刺激物が肌に長時間付着したままだと肌荒れの原因になったり、人によってはアレルギー症状が出たりする場合も。

特にこの週末は花粉と黄砂のダブルパンチになるので、外出時にマスクを着用するのはもちろん、帰宅後はできる限り早めに洗顔などをして取り除きましょう。

明日31日も黄砂飛来

3月31日9時の黄砂予想(気象庁HPより)。日本海側や関東で飛来が予想されている。
3月31日9時の黄砂予想(気象庁HPより)。日本海側や関東で飛来が予想されている。

明日31日は30日よりやや範囲が狭まるものの、やはり黄砂が飛ぶところが多い予想です。

九州北部や中国地方、関東、東北北部を中心に空がかすむような濃度が予想されています。

喉や気管が弱い方は、できるだけ外出を控えたり、自分に合った大きさのマスクを着用して外出するなど特にしっかり対策をしましょう。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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