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LAキャンプで世界挑戦に備えるWBO指名挑戦者

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 11月下旬、WBOスーパーウエルター級1位、WBC/IBF同級3位のティム・チュー(28)がロスアンジェルスに到着した。スーパーライト級の世界王者だったコンスタンチン・チューの愛息にして、オーストラリアのスターボクサーである。

 来年1月28日に、WBA/WBC/IBF/WBOスーパーウエルター級王者、ジャーメル・チャーロ(32)に挑む予定だった為、LAキャンプをスタートさせたのだ。9週間で、25万ドルをかけての調整になるとの話だった。

 しかし、チャーロがスパーリング中に左拳を骨折し、試合は延期された。チューは「チャ―ロを狩ってやる」と息巻いていたのだが…。

写真:ロイター/アフロ

 チューは、過去にリディック・ボウ、シェーン・モズリー、ディエゴ・コラレスらを指導し、現在はライアン・ガルシアのトレーナーを務めるジョー・グーセンにコーチを依頼した。今回のキャンプではガルシアとのスパーリングを重ねていた。

(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
(C)Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 オーストラリアを発つ前、チューはシドニー国際空港に集まった地元メディアに語った。

 「ちょっと緊張している。殺すか殺されるかの戦いだからね。この試合は、自分にとって最大のチャレンジだ。オーストラリアのスポーツ史に刻まれる大きなイベントになるよ。全てを理解したうえで、自分はこの一戦に懸けている。この試合のために、既に4カ月間、休みなしでジムでのトレーニングを続けてきた。

 チャ―ロ、そして彼の陣営は僕らを評価していない。でも、自分は世界に衝撃を与えるために戦うし、そのための策はすべて身に付けている。準備万端だ。ベガスで4本のベルトと栄光を掴んでみせるよ」

写真:ロイター/アフロ

 35勝(19KO)1敗1分けの統一チャンピオン、チャ―ロに対し、チューは21戦全勝15KO。4歳若い挑戦者は、本人の言葉通りベテラン王者を仕留められるか。延期と発表された試合は、いつ行われるのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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