オランダ、ルクセンブルグで相次ぎ竜巻発生 原因は大低気圧
9日(金)フランスとベルギーに国境を接するルクセンブルグで強い竜巻が発生し、大きな被害が出ました。
竜巻が起きたのは、ルクセンブルグ南西部のペタンジュで、竜巻の風速は36m/sと推定されています。当局によると、およそ100軒が損傷を受け居住不能な状態となったほか、19名がけがをし、病院に搬送されたとのことです。この竜巻は6キロも移動し、フランス北西部でも建物に被害が出ました。
一方、オランダの首都アムステルダムでも同日(9日)水上竜巻が発生し、住民や観光客を驚かせました。下の動画には、水上を猛スピードで駆け抜ける竜巻が写っています。一部の建物が被害を受けたものの、けが人は出なかったもようです。
竜巻の原因
これらの竜巻を発生させた原因は何でしょうか。
それは、夏としては珍しいほど発達した低気圧です。低気圧の中心気圧は一時980hPa近くまで下降しました。その低気圧からのびる寒冷前線が欧州西部を通過し、竜巻を発生させたのです。
この寒冷前線によって、ドイツ南部では落雷が発生し、サッカーをしていた15人が軽傷を負い病院に運ばれました。
ヨーロッパの竜巻事情
ヨーロッパでは、竜巻はどのくらい発生するのでしょうか。
ヨーロッパでは年間で300個の竜巻が発生すると言われています。最も発生数が多いのが7月で、6月と8月がそれに続きます。
国別ではイギリス、オランダ、イタリア、ドイツ、フランスの順に多くなっています。
単純に竜巻発生数だけを見ると、年間1,200個の竜巻が発生するアメリカにまったく及びませんが、単位面積あたりの発生数では、意外なことにオランダが世界一です。それには、海よりも低くて、平らな土地が広がるオランダならではの地勢が関係しています。
※ヨーロッパの竜巻の発生地図は、こちらから見られます。