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阪神ファームは1年2ヶ月ぶりの6連敗 / フレッシュ球宴に出場する4選手のコメント

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
1日、オリックスのブランコ選手に満塁ホームランを浴び、汗を拭う青柳晃洋投手。

7月を迎え、一気に日差しが強くなったように感じますね。ウエスタン・オリックス戦が行われた1日の舞洲ベースボールスタジアムは、選手たちの顔がみるみる焼けていくのがわかるほど。一二三選手も「日差しが痛い」と言っていました。このまま夏!ってことはないでしょう。ことし梅雨はなかなかパワフルですので。

きょうは遅ればせながら1日の試合結果を書かせていただきます。その前に『フレッシュオールスターゲーム2016』出場予定選手が1日の午後に発表されました。阪神からは2年目の守屋功輝投手、ルーキーの青柳晃洋投手、坂本誠志郎選手、板山祐太郎選手の4人が選ばれています。あら、4人とも同い年というか同学年!これは珍しいですね。

倉敷で仕切り直しのフレッシュ球宴

ご存じのように昨年は7月16日が台風11号接近のため順延、そして翌17日は雨で、史上初の中止となりました。それもあって、ことしは7月14日に昨年と同じ岡山県倉敷市のマスカットスタジアムで開催されます。昨年も、2年目の陽川選手、同期の横山投手、江越選手とともに選出されていた守屋投手は地元出身で、大勢の方が観に来てくださる予定だったのでガッカリしていたんですよね。それも踏まえて、4選手のコメントをご紹介しましょう。

守屋投手「去年は横山のせいで、雨で流れてしまったんですけど(笑)」。やっぱり来ましたね。そう、去年は雨男でおなじみの横山投手が先発予定で、それをずっと言っていた守屋投手。これは外せないそうです。「ことしは“晴れの国・岡山”の力で雨は降らないと思います。慣れ親しんだマスカット球場でまた試合ができて嬉しいです!普段は対戦しないイースタン・リーグの選手と戦えることにも喜びを感じて、地元の皆さんに成長した姿を見せられたらいいなと思います!」

1軍も経験した今季、自信を持って地元・倉敷でのフレッシュ球宴に臨む守屋投手。
1軍も経験した今季、自信を持って地元・倉敷でのフレッシュ球宴に臨む守屋投手。

昨年はあまり調子がよくない時期で、ちょっと不安な表情も見えた守屋投手でしたが「ことしは去年と違います」とキッパリ。その成長ぶりは監督、コーチ、そしてファンの皆さんもご存じです。さらにご当地選手とあり、先発する可能性も期待できますね。

ルーキーの3人は、1日の試合後に聞いたのでひとことずつでした。板山選手は意外な言葉です。今までにこういうコメントをした選手はいなかったと思いますが、ある意味“フレッシュ”かも。

青柳投手「自分が対戦したことのない打者とやれるのは楽しみです。そういう舞台の雰囲気を経験したい」

坂本選手「いろいろな選手がいて勉強になると思います。自分をアピールする、いい舞台。思いきってやりたい。技術的なアピールもできるところですし、楽しみながらやりたいです」

板山選手「今が精一杯なので、まだわからないです」

【1日は逆転負け】

ではお待たせしました。1日のオリックス戦(舞洲)の詳細です。

《ウエスタン公式戦》7月1日

オリックス-阪神 15回戦 (舞洲)

阪神 003 000 000 = 3

オリ 005 200 10X = 8

◆バッテリー

【阪神】●青柳(2勝2敗)-山本-サターホワイト-高宮-石崎 / 清水-小豆畑(6回~)

【オリ】○佐藤世(2勝1敗)(5回)-大山(1回)-塚田(2/3回)-白仁田(1回1/3)-小松(1回) / 伊藤-斎藤俊(9回表)

◆本塁打 ブランコ3号満塁(青柳)

◆三塁打 横田

◆二塁打 ペレス

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]指:上本  (3-2-0 / 0-2 / 1 / 0) .325

2]右左:緒方 (5-3-0 / 0-0 / 1 / 0) .262

3]中:横田  (5-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .290

4]三:陽川  (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .324

5]一:へイグ (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .388

〃遊:植田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .078

6]左:ペレス (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .309

〃二:荒木  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .248

7]遊一:坂  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .163

8]捕:清水  (2-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .341

〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .077

9]二右:板山 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .202

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

青柳 4回 108球 (7-6-5 / 7-7 / 4.15) 143

山本 1回 26球 (1-1-1 / 0-0 / 1.61) 140

サタ 1回 13球 (1-2-0 / 0-0 / 0.00) 150

高宮 1回 16球 (2-0-0 / 1-1 / 4.50) 142

石崎 1回 14球 (2-0-0 / 0-0 / 3.68) 153

試合経過

3回、緒方選手の右前打で無死一、三塁。
3回、緒方選手の右前打で無死一、三塁。
続く横田選手は右中間への三塁打!
続く横田選手は右中間への三塁打!
先に生還した上本選手(右)が緒方選手を迎えます。
先に生還した上本選手(右)が緒方選手を迎えます。

先取点は阪神。3回に上本、緒方が連打で無死一、三塁となり横田の右中間三塁打!これで2人が還り、1死後にへイグが中前タイムリーを放って3点です。ところがその裏、先発の青柳が四球とヒットで2死一、二塁として、4番・園部の中前タイムリー。中島にも四球を与えて2死満塁、ここで清水がマウンドへ行くも、続く6番・ブランコにフルカウントからの6球目をレフトへ運ばれます。

スタンドもカメラマン席も、そして打ったブランコも、おそらく打たれた青柳も、一瞬でそれとわかる打球。第3号の満塁ホームランで5対3と逆転を許しました。この回は39球を要し、3回を終わって77球の青柳。4回はヒット2本で2死一、三塁として、ここで久保投手コーチがマウンドへ。しかし3番のボルセビックに右前タイムリーを浴びます。

1死後にへイグ選手もタイムリー!
1死後にへイグ選手もタイムリー!
これで三塁から横田選手が生還しました。
これで三塁から横田選手が生還しました。

なおも2死一、二塁で園部に四球を与えて満塁となり、今度はサードの陽川が声をかけますが、次の中島にも四球を与えて押し出し、2点を追加されて7対3。最後はブランコを初球で二ゴロに打ち取って終了です。この回は31球を投げた青柳。4回で108球、6三振を奪ったものの7安打と5四球で7失点でした。

5回は山本に代わり、1安打1死球で1死二、三塁とされながらも後続を断って無失点。そして6回は予定通りサターホワイトが登板です。3番のボルセビックにセカンドの後ろに落ちる右前打、園部の三振で盗塁を許しますが、中島は見逃し三振、ブランコは中飛で無失点。この日は150キロが出ています。

1日に支配下へ復帰したオリックスの園部選手。124から00になった背中が眩しい。
1日に支配下へ復帰したオリックスの園部選手。124から00になった背中が眩しい。
3回裏、逆転の満塁HRを放ったブランコ選手。もう確信していますね。
3回裏、逆転の満塁HRを放ったブランコ選手。もう確信していますね。

7回は高宮で、1死から伊藤に中前打されるなど2死二塁として1番・岩崎に中前タイムリーを許しました。そして9回は石崎が登板。先頭のボルセビックがサード内野安打(ボルセビックは5打席連続安打で5の5!)で出たものの、園部は三ゴロ併殺打。次の代打・赤松に中前打されますが、武田を左飛に仕留め、無失点です。

打線は4回以降、3安打と2四球のみで三塁を踏みことなく終わっています。4番・陽川の3三振も少し影響したかもしれませんね。上本は2安打2四球と盗塁、緒方が3安打1盗塁、横田2安打、あとはヘイグとペレスが1安打ずつで計9安打という内容。なお投手5人で、2回を除く毎回の13安打を浴びました。

4回で108球と苦しんだ青柳

試合後の話は、ほとんどがピッチャーです。ただひとり、3回無死一、三塁で2点タイムリー三塁打を放った横田選手に聞いていますが、本当に一言だけ。「チャンスだったんで打ててよかったです」。そのあともう1本、7回にも左前打しましね。「もう1本打てるように頑張ります1」。なるほど、1本打ったら2本、2本打ったら3本という意気込みですね。

1軍の登板予定が流れ、1日にファームで先発した青柳投手。
1軍の登板予定が流れ、1日にファームで先発した青柳投手。

青柳投手は試合後、沈痛な面持ちのまま「ストライクを取ることが難しくて、結局またカウントを悪くして打たれたのがすべてです。いつもと配球を変えて、緩いボールを多く使っていこうとしていたが、チェンジアップやカーブがボールになったり。緩い球でカウントが取れれば1軍でも使えるんですけど、きょうのようなボールだと…」と反省の言葉を繰り返しました。

掛布監督は「カウントを作れなくて、いつもは苦しみながらも抑えるんだけどね。きょうは緩いボールを優先していたんじゃないかな。もともと5イニングか100球かという予定だった」と話しています。久保投手コーチは「いつもと同じ、コントロール。緩い球?それもやっぱりコントロール」との短いコメントです。

サターホワイトは150キロ到達

続いてサターホワイト投手。公式戦初登板を「非常に感覚がいい。いいバッターとの対戦も収穫。狙ったところに投げられたし、そうじゃないのもあったけど0に抑えられた」と振り返っています。最速は150キロで「前回(148キロ)より上がったことは収穫です。どんどん投げていってマウンドに慣れていけば、また上がっていくと思う」とのこと。

来日して2度目、公式戦は初登板のサターホワイト投手。
来日して2度目、公式戦は初登板のサターホワイト投手。

課題を聞かれ、ブランコ選手に打たれた球が結果はセンターフライだったものの「コントロールという点では修正していきたい」と。またボルセビック選手に盗塁を決められたところは「フォークで走られた。いいタイミングだった。もう少し早く投げればよかった」という反省点があったようです。

この囲み取材中、そばでへイグ選手が立っていて、一緒に引き揚げるため待っているのかと思ったら「インタビューのチェック」だったみたいで(笑)。質問に答えるサターホワイト選手のコメントをニコニコしながら聞いていました。へイグ先輩、合格ですか?

ベンチへ戻りながら、小豆畑選手(右)とボディランゲージで会話中。
ベンチへ戻りながら、小豆畑選手(右)とボディランゲージで会話中。

なお受けた小豆畑選手は「サターホワイト、ナイスピッチングです。投げたのは真っすぐ、真っすぐより少し遅いのがツーシーム、それとフォーク。スライダーもですね」とコメント。投げ終えてベンチへ戻る際、小豆畑選手に手ぶりで何か話していたのは?「高めのサインだったのに、低くなってごめんと言っていました」。なるほど。

サターホワイト投手について掛布監督は「まずまずじゃない?いい感じ。スピード上がってくるし、バランスも悪くない。盗塁はこれからの課題かな。クイックも含めて試合の中でしかできない野球があるから。まだ2回目だよ。まだ判断するのは早い」という話でした。

リリーフの山本、高宮、石崎

5回に登板した山本投手。
5回に登板した山本投手。

急きょ繰り上がって5回に登板した山本投手は、1死一、二塁の場面で「1点もやれないところで(残り)2人をしのいでいこうと思って投げました。フルカウントからスライダーを、しっかりいいコースに投げられた」と言います。ただし「いつも先頭を取ることができていたのに、きょうはできなかった」との反省もあったようです。

6回は高宮投手。
6回は高宮投手。

高宮投手は7回に投げて1点を失いましたが「でも状態はよかったですよ。球自体はよかった。全体的にはよかったと思うけど、力で抑えにいくところもあったかな」と話しています。「次はゲームの配球、組み立てを意識していきたい。ボールにすべきところはボールにするとか」

8回は石崎投手という継投でした。
8回は石崎投手という継投でした。

石崎投手。「よかったというか、大荒れしなかったのはよかったですね。空振りを取れないのが課題。カーブとかフォークを投げていたけど、結局打たれたのは真っすぐなんですよ。三振が欲しいな、ボテボテに詰まらせてゲッツー取りたいなと思うけど」。右ヒジの炎症から復帰して最速の153キロが出たものの「スピードを競うもんじゃないですからね。速い球があって損はないけど、1つの目安」と言っていました。

【2日はサヨナラ負け】

きのう2日は大阪府高槻市の高槻萩谷バファローズ球場(萩谷総合公園野球場)で行われたオリックス戦。秋山投手が4回までパーフェクトピッチングで、5回に園部選手への死球、伊藤選手に初ヒットを許したものの、6回と7回は再び三者凡退でした。8回に伊藤選手にヒット、斎藤俊選手のタイムリーで1点を失いますが、8イニングで85球という球数!3安打(うち2本が伊藤選手)で1失点です。

阪神打線も、オリックス先発・ミッシュ投手に対して、6回に緒方選手、7回は植田選手のタイムリーで1点ずつ取っただけ。そのあとは追加点なく、2対1で迎えた9回に登板した福原投手が、まず伊藤選手のタイムリー(3安打目)で追いつかれ、続く武田選手のタイムリーでサヨナラ負けを喫しました。

これで6月21日から雨を挟んで6連敗となった阪神ファーム。それまでは3連敗が最多だったので今季初、昨年5月の9連敗以来ですね。6月11日に今季最多の8あった貯金は1まで減りました。試合結果と個人成績のみ書いておきます。

《ウエスタン公式戦》7月2日

オリックス-阪神 16回戦 (高槻)

阪神 000 001 100 = 2

オリ 000 000 012x = 3

◆バッテリー

【阪神】秋山-●福原(1敗5S) / 坂本

【オリ】ミッシュ(7回)-坂寄(2/3回)-○高木(1勝)(1回1/3) / 伊藤

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]指:上本  (4-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .323

2]右左:緒方 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .262

3]中:横田  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .279

4]三:陽川  (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .320

5]一:へイグ (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .386

〃走一:荒木 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .246

6]左:ペレス (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .310

〃走右:板山 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .211

7]二:森越  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .214

8]捕:坂本  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .219

9]遊:植田  (4-1-1 / 3-0 / 0 / 0) .091

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

秋山  8回 85球 (3-3-1 / 1-1 / 2.13)

福原 0.2回 23球 (4-1-1 / 2-2 / 5.63)

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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